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6代目にフルモデルチェンジ 9月発売予定

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

7月21日。ホンダは9月発売予定の新型「シビック・タイプR」を世界初公開した。

【画像】新型シビック・タイプR デザイン/内装を見る【従来型と比較】 全191枚

初代シビックが発売されてから、ちょうど50周年を迎えた2022年7月12日、ホンダは新型シビック・タイプRの発表を予告していた。


世界初公開された新型シビック・タイプR。    前田惠介

先代(2017年モデル)は、日本で8100台、ヨーロッパで1万1000台、アメリカで2万5100台、その他の地域で3000台と、世界95か国で販売。

タイプR史上過去最高の販売台数を記録して、世界中のファンやメディアから賞賛を受けた。

では、今回で6代目となる新型は、どんなモデルになるのか?

現段階では内外装のデザイン、およびダイナミクス性能の進化点くらいしか発表されておらず、外寸やパワースペックなどは未公表だ。

まずは、いま分かっている情報から、新型シビック・タイプRはどんなクルマになるのか、その注目点を紹介してみたい。

1. タイプRにも質感を 魅せるデザイン

新型シビック・タイプRの1つ目の注目点は、やはりこのデザイン。ピュアエンジン・タイプRの集大成として、究極のFFスポーツを目指した。

昨年発表された11代目シビックをベースに、タイプRとしての走行性能を高めるため、さらにロー&ワイドなパッケージを追求。


グリル開口部からボンネットのエアアウトレット、フロントフェンダーのダクト、そしてサイドシルスポイラーなどが、空気の流れや冷却をコントロールする。    前田惠介

ボディと一体となったワイドフェンダーは、サイドパネルから美しく流れるような造形にするとともに、フロントからリアに抜ける一連の空気の流れをコントロールすることで、空力性能を向上させている。

リアセクションのポイントは、一体型のグラマラスなフェンダー、アルミダイキャストステーを採用したリアスポイラー、そしてバンパー下部のアンダーフロアと一体化したディフューザーなどで、空力性能を高めるのに貢献。

いずれも、機能美・質感にこだわったピュアエンジンFFスポーツの完成形をもたらすアイテムといえるだろう。

また、19インチのマットブラック・ホイールにはリバースリム構造を採用してサイズを大きく見せており、軽量・高剛性を両立させている。

車体色には、タイプRの象徴的な色であるチャンピオンシップホワイトに加え、新色としてソニックグレー・パールも追加。その他にフレームレッド、レーシングブルー・パール、クリスタルブラック・パールの全5色を設定する。

2. レーシーな内装 シートとメーターは?

インテリアは、圧倒的なハイパフォーマンスへと導く、ハイコントラストな空間。

ドアを開けた瞬間に気持ちを高揚させる、真っ赤なシートとフロアカーペットを採用。インストルメントパネルまわりは、シートに座った瞬間に運転に集中できるようにノイズレスなブラック基調とした。


「+R」モードのメーター表示。レブインジケーターは、注視せずに感覚的に認識できる点灯式を採用するなど、瞬間的に情報を視認できるレイアウトとするとともに、気持ちも昂ぶるデザインとしている。    前田惠介

より鮮烈な赤へ刷新されたフロントシートは、限界走行時においても安心して身体を委ねられるように多面体の3D形状で身体をサポート。

摩擦係数の高いスエード調の表皮を採用することで、高G状態での滑りを低減している。シート地には、上下方向にグラデーションのあるハニカムパーフォレーションも施された。

また、メーターには、通常の表示に加えて「+R」モードのデザインを採用。ドライバーが必要な情報をいかに瞬間認知できるかを重視し、上部にはエンジン回転数/レブインジケーター/ギアポジションなどを配置。下部は車両情報を自在に表示できる。

コンフォート/スポーツ・モードでは2眼式のアナログメーター表示となり、気持ちを盛り上げる赤背景に黄色指針のコーディネートを採用。スピードメーターは320km/hスケール、タコメーターのレブリミットは7000rpmとなる。

また、アルカンターラ巻きのステアリングホイールや、アルミのセンターコンソールパネル、偏光ガンメタリックのアウトレットなど、高揚・集中を導く空間構築のための専用アクセントも採用された。

3. FF最速の戦い 痛快なパワートレインに

3つ目の注目点は、パワートレイン。これまでのシビック・タイプRを上回るパフォーマンスを目指し、専用の2L VTECターボを磨き上げ、高出力・高レスポンスを追求した。

新型シビック・タイプRのパワースペックは公表されていないが、先代タイプRは320ps/40.8kg-m。おそらく、この数値は上回るのではないかと推測できる。


3本出しのパイプと、美しいスポイラーがリアビューを飾る。ドライブモードは「コンフォート」「スポーツ」「+R」、さらにエンジン/ステアリング/サスなどの設定をカスタムできる「インディビジュアル」という4つを用意。    前田惠介

インテークとエグゾーストにVTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)、エグゾーストにはVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)、高効率エキマニ冷却、2ピース・ウォータージャケットなどで環境性能と出力を追求。高応答小型ターボ、電動ウェストゲート、軽量高剛性クランクシャフトなどで、高出力・高レスポンス化を図る。

さらに、ターボチャージャーの翼の枚数や形状の見直しによる効率向上やイナーシャの低減により、先代と比べてパワーウェイトレシオと最高速度はアップするという。

フライホイールは先代比で18%軽量化され、慣性重量も25%減少。レブマッチシステムのブリッピング性能も先代比で10%向上している。

さらに、レブマッチシステムを6速MTの全段で適用し、(先代まではなかった)エンジン回転操作が大きい2速から1速へのシフトダウンでも自動ブリッピングを使えるように進化した。

「一度乗ったらシフトチェンジが病みつきになる」 そんなマニュアルシフト車の操る歓びを最大化させたという。

4. ブレない安定&信頼感 シャシーとボディ

プラットフォームとボディの進化も注目点。

構造用の接着剤を塗布する部分は先代より3.8倍も増やし、テールゲートは樹脂製となり先代(スチール製)より約20%軽量化されている。


新型のシャシーは、速さを追求するだけでなく運転することに夢中になれるようなハンドリング、軽量・高剛性のボディに合わせて、高速走行時における高い安定性を追求している。    前田惠介

空力面は、ボンネットフード、フロントバンパー&アンダーカバー、リアスポイラー、リアディフューザーなど、レースからフィードバックした専用の空力アイテムにより、リフト係数は前・後とも先代よりアップ。

200km/hでの走行時には、900ニュートンのダウンフォースが発生するという。

また、265/30ZR19というワイドなタイヤに対応したサスペンション・ジオメトリーの最適化や、関連パーツ(ロアアーム、ダンパーフォーク、ナックルなど)の剛性最適化により、FFハイパワースポーツカーに必須な駆動トルクタフネスと、さらなる高剛性化も達成した。

個人的には、リアルタイムに車両の情報を確認できるデータロガー「ホンダ・ログR」が興味深い。機械的な運動情報を見ることができ、自分の運転操作・車両挙動を知ってドライビングスキルを高められる。さらに走行映像を世界中のタイプRユーザーとシェアできるなど、新たなドライビングプレジャーも提供してくれる。