急逝したエンゼルスのタイラー・スカッグス投手【写真:Getty Images】

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スカッグスの家族は真相究明のために弁護士のハーディン氏を雇う

 7月1日(日本時間2日)に遠征先のテキサス州ダラスのホテルで急逝したエンゼルスのタイラー・スカッグス投手。8月30日(同31日)には死因が沈痛作用のあるフェンタニルとオキシコドン、アルコールと併用し、嘔吐物が喉に詰まって窒息死したことだったことが明らかにされた。

 米国で依存症や乱用が社会問題にもなっているオピオイド系の薬が、スカッグスの死因だったことが判明し、大きな衝撃を与えている。一体、スカッグスはどこからこの薬を手に入れたのか、など、米メディアは今後の警察による捜査の行方を大きく注目している。

 米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」も「タイラー・スカッグスの捜査は、ここからどこへ向かうのか」と題して特集を掲載。今後の捜査の展開を展望している。

 同誌は死因が判明したことに関して、スカッグスの家族のコメントを紹介。「彼がそんなことをするなんて考えられない。(薬物の入手経路に)エンゼルスの関係者が関与している可能性があることを知って、非常にショックを受けている」とコメントしたとし、記事では「スカッグスの家族が有名なテキサス州の弁護士ラスティ・ハーディン氏を雇った」と伝えた。

スカッグスの体内から検出されたオピオイド系の薬はMLBとMLB選手会で禁止されている

 記事の中では「家族がエンゼルス関係者の誰かが、スカッグスの死に関与したかもしれない、と示唆したことは、大きな注目を浴びている。それは、これに関わったエンゼルスの関係者が、彼の死に対しての道徳的、法的な責任に問われることも意味している」と指摘する。スカッグスがどのようにして、このMLBとMLB選手会で禁止されているオピオイド系の薬を入手し、なぜ使用したのか、そして、なぜアルコールと併用したのか、誰かと一緒だったのか、などについては不明のままとなっている。

 中毒性が高く、医師の処方箋でのみ入手可能だというフェンタニルとオキシコドン。これらのオピオイド系鎮痛薬とアルコールを同時に摂取すると呼吸器系に問題が起こり、死に至る場合があると、同誌でも言及されている。

「警察の捜査で重要なのは、7月1日のスカッグスの行動である。その夜に行われるはずであった、レンジャーズとの試合の何時間も前に彼は発見されたが、エンゼルスは遠征中であり、その時の選手の行動は、通常、チームでだいたい把握されているはずだ」と指摘する「スポーツ・イラストレイテッド」。今後、エンゼルスのチームメートやコーチ、トレーナー、チームドクターなども警察から話を聞かれるであろうと予想している。

「もし、誰かが、スカッグスに違法に薬物を与えていたら、彼は、麻薬取引(密売)などの罪にとわれるかもしれない。その上、スカッグスの家族が、ネグリジェンス(人/物に損害を及ぼす状況下で然るべき注意を欠くこと)なとで、その人物を訴えることもできる」。大きな衝撃を与えることとなったスカッグスの死因。そこには、どのような真実が隠されているのだろうか。(Full-Count編集部)