マカオに旅行にきたある男性、ちょっとした口げんかから、開いた口がふさがらない賠償責任を負わされることになった。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本人にも観光地として非常に人気があるマカオであるが、マカオ司法警察局によると、マカオにある某ホテル客室の窓を破壊したとして5月31日、この部屋に宿泊していた男が器物損壊容疑で逮捕されたという。この男性、ちょっとした口げんかから、開いた口がふさがらない賠償責任を負わされることになった。

 事の発端は、妻とともに宿泊していた中国本土の男性(29歳)が妻の浮気を疑って問い詰めたこと。それがたちまち、けんかに発展してしまったようだ。5月30日の午前4時、ホテルの一室で不審な物音を聞きつけた警備員が駆け付け、その後、ホテルのスタッフが警察に通報して調査したところ、客室の窓ガラスが割れていたという。

 調べによると、喧嘩の際に容疑者が怒りに任せて香水の瓶を投げつけ、それが窓ガラスに当たり、損壊箇所は窓枠にも及んでいた。ホテル側は窓の補修費用等を含めた原状回復費用、および、補修期間に営業できないことによってもたらされる営業損害として、男性に計12万5500マカオパタカ(日本円換算約168万7000円)の損害賠償を請求する方針である。

 マカオのホテルの宿泊費は、全体として非常に高い水準にある。ツインルームで一泊当たり1万円程度から泊まれるところもあるが、平均して2万円以上はかかる。世界的に名の知れた高級ホテルになると、一泊当たり二ケタに及ぶものもざらである。したがって、請求費用もかさむわけだ。

 この男性が払わなければならないのは、同損害賠償だけではない。加重損壊罪で起訴及び送検されているため、刑事上の責任も問われる。マカオ特別行政区刑法によると、加重損壊罪は、5年以下の懲役、または、日本円でおよそ40万円から8066万円(個人の経済状況による)の罰金に処されることとなっている。

 ホテルへの損害賠償に加えて罰金を払わなければならないと考えると、膨大な損失である。喧嘩をするときは場所もよく考えた方がよさそうだ。というよりもその前に、怒るもっともな理由があったとしても、アンガーマネジメントを習得して怒りをコントロールしたほうがさらに賢いだろう。(イメージ写真提供:123RF)