フォード、オンデマンド・シャトルサーヴィス「Chariot」を買収

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フォードが、オンデマンドのシャトルバスサーヴィスを手がける「Chariot」を買収することを発表。大手自動車メーカーと「新しい移動手段」を届けるスタートアップの提携がますます進んでいる。

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自動車メーカーのフォードが、サンフランシスコを拠点とするオンデマンドのシャトルサーヴィスを手がけるChariotを買収することに合意した。

フォードは9月9日(米国時間)、今後18カ月で、Chariotのシャトルサーヴィスをサンフランシスコの少なくとも5つの市場に拡大すると明らかにした

Chariotは現在、ベイエリアの28路線にフォードの「トランジット」を利用したシャトルバスを約100台走らせている。いまは潜在的乗客の投票を集計してルートを選択しているが、フォードによると今後、より複雑なアルゴリズムを使うことになるという。

都市によっては、2地点間の移動にタクシーもバスも適していないということが少なくない。このサーヴィスはそうした欠点を補うことを目指している。

今回の買収はフォードにとって、自転車共有サーヴィス「Motivate」との提携や、世界中各地の都市と交通ソリューションに取り組む「シティソリューションチーム」の設立と同様、より大きなビジネス構想の一環だ。

フォードのマーク・フィーズ社長兼CEOは声明で、「次の大きなステップは、現在および将来の交通ニーズに向けた各都市との提携だ。われわれは今後数十年にわたり、コミュニティと共同で、交通の選択肢とソリューションをより多く提供していきたい」と述べている。

クルマメーカー×オンデマンドサーヴィスの大合併時代

昔ながらの自動車メーカーと新時代の乗車サーヴィスの提携は増えてきている(日本語版記事)。ゼネラルモーターズ(GM)は先日、自律走行車を開発することを期待してLyftに5億ドルを出資した。フォルクスワーゲンはイスラエルのライドシェアスタートアップGettに3億ドルを出資。トヨタはUberと提携してライドシェアでの協調を模索している。

UberからLyftまで、さまざまなオンデマンドのスタートアップが人々の都市の移動を変えつつあり、従来型の自動車メーカーは時代に取り残されないように、この新しい分野への取っ掛かりを求めているのだ。

自動車メーカーは同時に、自律走行車によってUberやLyftのようなサーヴィスに拍車がかかる「避けがたい未来」に目を向けている。GMのリフトへの5億ドルの出資はすべて自律走行車に関するものだ。フォードは2021年までにライドシェア向けに完全に自律的な車両を提供する意向を明らかにしている(日本語版記事)。

フォードによるChariotの買収も、そうした目標に向けた動きと考えられる。

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