ナゴヤドームで3連戦、中日が3連敗するなんて誰が予想しただろうか? ファンはもちろん、中日の選手や監督コーチでも、悪くて1勝2敗の目算だったはず。圧倒的強さを誇っていた地元での3連敗、これも短期決戦だからこその結果なのか、それとも強いソフトバンクがビジターのナゴドをもろともしなかったのか・・・。

名古屋での3試合、勝因敗因色々ある。多村の開き直り、小久保の勝負強さ、細川の好リードと読み勝ちの打撃、攝津、山田の好投、無死満塁を抑えた森福の11球など、ソフトバンクに良いほうの目ばかり出た。福岡で連敗し、チーム全体に思い切りの良さを出しやすい状況になったことで、逆に大きくプラスに作用したと思う。

逆に3タテを喰った中日側はどうだったのか。
気になったところを3点あげてみたい。

一つ目、第4戦6回無死満塁の場面、森福の快投は見事というほかはなかったが、代打の一番手はやはり小池なのだろうか? 第1戦決勝をアーチの小池だが、どうしても層の薄さを感じてしまう。グスマンが使い物にならなかったツケが出ている感じがしてしまうのだ。

小池は意外性はあるかもしれないが、敵としては怖いという印象がさほどない。タイガースと比べて恐縮だが、客観的にみても、ここで関本に出てこられるのとでは期待感が全く違う。中日の場合、右の代打なら、小池よりも捕手の控えの小山とか堂上弟の方が不気味。

二つ目、同じく第4戦、あえて敗因にあげたいのが初回のタイムリーエラー。松田を二塁ゴロの併殺コースに打たせ、余裕で併殺かと思ったが荒木の送球が逸れた。捕れなかったブランコもお粗末だったが、投げた荒木もお粗末だ。エラーはつき物だが、このエラーはしてはいけないエラー。結局この1点が決勝点となってしまう。

敵のチームなのでこんなことを書くのは初めてだが、ショートからの荒木の送球は到底プロの野手とは思えないほど不安定さを感じる。名前を出して失礼だがうちの新井と同類項だ。イージーなゴロでもふんわりとした送球で危うくセーフになる場面も多い。エラー数17(新井18、坂本18)というのも頷ける。おそらくは殆どが送球エラーだろう。第一戦でも9回裏にサヨナラのピンチに繋がる悪送球をしている。井端の目の故障もあり仕方がなかったが、荒木はやはりセカンドの選手だと思う。

余談だが、同じショートでも荒木のようにふんわ〜と投げるのに、その送球は正確無比で、しかも走者があと一歩のところで、計ったようにギリギリアウトにする伝説の名人ショートがいた。横浜の前身、大洋ホエールズの山下大輔である。大洋にはボイヤーというメジャーあがりの名選手がいたこともあり、みるみるうちに名選手に成長した。山下の送球は実に見事な職人芸だった。

余談の余談だが、山下は慶應大学出身で、入団時から大変人気者だった。今で言えば斎藤佑樹とまでは言わないがそれに近い感じ。しかし、いつの間にやら入団時の容貌は影を潜めていった。う〜ん、余談の余談なのでこれ以上は書かずにおこう。

もう一点は昨日の第5戦、井端の6回の打席だ。1死から荒木が二塁打。絶好の同点のチャンスだった。井端のスイングは完全に引っ張り一辺倒のスイングに見えた。シーズン中の井端なら、ここで最悪でも右打ちをして走者を進めていたと思う。ファウルで粘って山田もここで初めてボールスリーまで行くが、最後はボール球に手を出してショートゴロ。粘ったところまでは井端だったが、スイングや選球はおおよそ井端らしくなかった。やはりこのチームはアライバが機能しないと苦しい。

明日から再度福岡決戦となる。名古屋の3連勝で形勢は逆転した。和田と杉内、それにファルケンボーグまでも温存して福岡へ戻れるソフトバンクが断然有利になった。しかし、まだ何が起きるかは分からない。吉見で明日勝てば最終第7戦までもつれる。

最終戦までもつれたら中日の先発は誰だろう? 順番からいけばネルソンだが、山井がくいるような気もする。ソトはどうしたんだろう? 先発させれば面白い存在だと思っていたが・・・。

さぁ、今度は中日が開き直る番だ。