ボーイング787の基本設計は、ボーイング社の主力工場がある米・シアトルに、設計者を送りこんでボーイング社と一緒に設計を行いました。三菱重工だけでも100人近くエンジニアを送り込んで、主翼の設計を行いました。この個々の企業の担当部分をワークパッケージと呼んでいます。当然、航空機には主翼や胴体もあれば尾翼もあり、エンジン関係やシステム関係もあるわけで、世界各国からいろいろなパートナーがシアトルに集合して、それぞれのワークパッケージ間の整合をとりながら、基本設計を進めていきます。これに約半年かかります。

 基本設計の最終段階のゲートをCDR(クリティカル・デザイン・レビュー)と言いますが、航空機の設計仕様がここですべて固まります。そこからはよほどのことがない限り、設計変更はないというところまで固めてから、各パートナーは自分たちが設計したものを持ち帰り、詳細設計、試作行程へと入っていきます。

 3次元CADの電子データを持ち帰って、今度はこれをモノが作れる情報に変換をするという作業をします。これが詳細設計のフェーズです。787の場合、主翼の複合材は三菱重工の工場で作っていますが、主翼にはほかにもたくさんの部品があって、それらは愛知県を中心にたくさんのパートナー企業に製造をお願いしています。それらのパートナーが、実際にモノを作れる状態にまで図面を落とし込む作業が詳細設計です。これにも半年ぐらいかかります。

 同時に、治工具(ツール)の製作というのも私たちの仕事になります。ツールというのは航空機を量産するためには欠かせないものです。部品を削るときは、NC工作機を使いますが、それを制御するプログラムもツールの一種です。ほかにも、胴体を組み立てるのに足場を構築し、フレームやストリンガーというものをセットしますが、このセッティングには1/10mmの狂いがあってもいけません。そういうものを全部治工具として用意しなくてはならないのです。……≫続きはこちら


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