写真/中島望(サンディエゴ上空を舞った中傷垂れ幕)

写真拡大 (全2枚)

米ツアー第4戦ファーマーズ・インシュランス・オープンで今季キックオフ戦を迎えたタイガー・ウッズ。開幕前には「これまでと変わらず今年も、出場する試合はすべて勝つつもりだ」と意気込みを語った。予選ラウンドでは上位に浮上。自身の言葉通り、いきなり優勝かと周囲の期待も高まった。しかし、3日目には74と崩れ、最終日もいいとこなし。優勝どころか44位タイとまるで振るわず、大会関係者も落胆ムードに包まれた。

昨年半ばから着手したスイング改造は失敗なのか。タイガーいわく、決勝ラウンドでの不調は「昔のスイングの癖が出てしまって、ラウンド中に元に戻せなかった」とのこと。「(スイング改造は)時間がかかる。以前のスイング改造のときは2年かかったんだからね」。

今は「プロセスの途上」だとタイガーは強調した。「(スイング改造でやろうとしていることが)レンジではできるけどコースではできない。コースでできるようになっても優勝争いではできない。優勝争いでできるようになってもメジャーではできない。それがメジャーの優勝争いでできるようになれば……。今は、そういう手順を踏んで進んでいくプロセスの途上なんだ」。

そのプロセスは、いつ完了するのだろうか?終着点に到達するまで、あとどのぐらいかかるのだろうか?「どのぐらいか?それはわからないけど、オーガスタを目指している。そして、6月、7月、8月へ向けていく。僕は毎年、年に4回のピークを作ろうとしている。そうやって過去に14回、僕は勝ってきた」。やっぱり目指すは4大メジャー。まずは4月のマスターズまでにスイングを自分のものにして本領を発揮したいというのがタイガーの目標だ。そして、全米オープン、全英オープン、全米プロへ。スキャンダル以後、すっかり成績が低迷してしまったタイガーだが、今でも帝王ジャック・ニクラスのメジャー18勝記録に追い付き、追い抜くことを最大の目標にしている。

スキャンダル後の周囲の反応や喧噪も「プロセス」を踏みながら収束している感がある。昨年、無期限出場自粛からの復帰戦となったマスターズでは、オーガスタ上空を小型飛行機が舞い、タイガーを中傷する垂れ幕をひらひらさせる「空撃」が何度も見られた。ギャラリーから野次が飛んだり、ミスショットに拍手が起こったりもした。だが、そんな喧噪も次第に静まりつつある。とはいえ、今週のファーマーズ・インシュランス・オープンでも「空撃」が見られ、中傷垂れ幕がサンディエゴの空に掲げられた。今回は、昨秋に女性に送った携帯メールが原因で不倫スキャンダルが明るみになったフットボール選手ブレット・ファーブにちなみ、「タイガー、ファーブみたいに携帯メールを送れよ」なんて書かれた垂れ幕だったが、トーリー・パンイズのギャラリーは「下らない垂れ幕なんて私たちは見ないし、興味もない。かつてのような強いタイガーに早く戻ってきてほしい」。

タイガーへの声援も、タイガー自身のスイング改造も、いい方向へ向かって「プロセス」を進んでいる。それだけは確かだが、果たしてその「プロセス」は4月のマスターズに間に合うのだろうか。「プロセス」の進行速度が遅々としているだけに心配でならない。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)