高校生の娘から突然の妊娠報告。相手は彼氏と言うが本当は別の人物で…揺れる家族の葛藤と選択を描いた物語『娘を妊娠させたのは誰ですか』【書評】

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高校生の娘から、突然「妊娠した」と告げられたら親は何を考えどう行動するだろう。まずは驚き、怒り、戸惑い、そして子どもの将来の不安。さまざまな感情が一気に押し寄せてくるはずだ。『娘を妊娠させたのは誰ですか』(たけみゆき/KADOKAWA)は、娘の妊娠に揺らぐ家族を描いた物語だ。
主人公のさなえは夫と高校生の娘・春菜と3人暮らしで、これまで大きな波風が立つこともなく、穏やかな毎日を過ごしていた。ところがある日、春菜が妊娠したことを知り、日常は一変する。お腹の子の父親は春菜が以前から交際している航太郎だという。あまりに突然の出来事に、さなえは激しく動揺する。
そんななか、春菜と航太郎が姿を消してしまう。やがてふたりは戻ってくるものの、春菜たちの態度にはどこかぎこちなさがあった。そして明らかになるのは、お腹の子の父親は航太郎ではなかったという事実だった。では、娘を妊娠させた本当の父親とは誰なのか。
そしてさなえは、春菜が隠し持っていた真実の重さを知ってさらに言葉を失うことになる。親としてどうやって娘のそばにいるべきなのか。簡単には答えの出せない問題へと踏み込んでいくのである。
突然の妊娠報告から始まった物語は、未成年の妊娠が本人と家族に突きつける現実の重さを描いていく。戸惑いながらも我が子とどこまでも誠実に向き合う家族の姿が深く胸に残り、そして若年妊娠についても考えさせられる作品だ。
文=つぼ子
