ヒカル「目指すは武道館です」 立川志らくに落語家弟子入り「立川さぎ志」で8・3初高座
人気ユーチューバーのヒカル(35)が落語家デビューする。落語家の立川志らく(62)に「客分(ゲスト)の弟子」として入門。高座名は立川さぎ志で、8月3日に東京・明治座で初公演を行う。演目は未定だが、ヒカルの独演会の形を取る。志らくは「才能のある若者のやる気を受け止めるのが年長者の役目。そしてそのことが滅亡に向かう落語界を救うひとつになることだと信じている」と強い決意を口にした。
弟子入りのきっかけは、2人によるYouTubeの対談企画。4月にヒカルがタモリ(80)を「全く面白くない」と批判したことに端を発する。志らくは「全方向にけんかを売る姿、自信過剰でありながらおびえがあるところが若い頃の私にそっくり」とヒカルにほれ込み意気投合。「もし(師匠の立川)談志が生きていたら、絶対に気に入って面白がっていたはず」と賛辞を贈るほど話芸の才能を評価している。
ヒカルも生の志らくの高座を見るなどして、伝統芸能の奥深さに触発された。落語界では異例のLINEで弟子入りを直訴し、志らくも「その言葉、待っていました」と二つ返事で快諾。ヒカルは「一人の表現者として明治座の舞台に本気で立ちます。目指すは(日本)武道館です」と熱い思いを語った。
立川流にはかつて談志さんが認めた著名人が落語家として所属する「Bコース」が存在した。ビートたけし(79)が「立川錦之助」、ミッキー・カーチス(87)が「ミッキー亭カーチス」として籍を置いた。現在は廃止されているが、弟子の志らくがその伝統にならう形でヒカルを入門させた格好だ。
人気ユーチューバーによる落語界への殴り込み。その裏には志らくの伝統芸能の未来に対する危機感がある。関係者は「志らくさんはこのイベントが落語をあまり見たことがない人の入り口になることを強く望んでいる。ヒカルさん自身も今後、月に1回程度は会場を押さえて興行を行うほどの意気込みを持っているようです」と本気度を明かした。2人の異端児が落語界に旋風を巻き起こす。
ヒカルは3日、YouTubeチャンネルで準備の様子や志らくとの打ち合わせの様子を公開した。志らくとの入門志願時のLINEのやりとりも公開し「これで松本人志さんも落語をやり出したら、志らく、さぎ志、ひと志。落語界3大スターの誕生です」と言われたことも明かした。公演に向け、着物も仕立て準備は万全。明治座での初高座に「ノリでやって恥をかくのも勉強」と意気込みを語った。
▽立川流のコース 落語立川流には家元の談志さんが設けた独自の弟子制度があった。A、B、Cの3コースに分かれ、Aコースが専業落語家を育成する従来の師弟関係、Bコースが各界の著名人、Cコースが一般人という区分。昇進条件や入会金、家元への上納金はコースによって異なっていた。Cコースは弟子にはなれるが、落語家にはなれない仕組み。談志さんの逝去にともない廃止された。Bコースでは立川藤志楼こと高田文夫が1988年に真打ちに昇進している。
◇ヒカル 1991年(平3)5月29日生まれ、兵庫県出身の35歳。2013年にYouTubeチャンネル「Hikaru Games」(現Hikaru Games XENO)を開設。その後「ヒカル(Hikaru)」を開設し、現在の登録者数は485万人。21年にはDa―iCEの花村想太と音楽ユニット「UPSTART」としてメジャーデビュー。髪色が半分黒髪、半分金髪がトレードマーク。

