【現代ビジネス編集部】堺雅人も真っ青の大ピンチ…『VIVANT』2期が「大赤字待ったなし」とされる「世知辛いワケ」

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赤字確定と言われる「驚愕の理由」

TBSが、早くもドラマ『VIVANT』一色に染まっている。

この7月は、堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、松坂桃李、役所広司ら豪華なキャスト陣が再び終結し、日曜劇場『VIVANT』の新章がスタートする。公安、自衛隊の秘密部隊、テロ組織、商社を絡めた物語展開は視聴者を巻き込み、SNS上では毎週のように考察合戦が起きた。最終回視聴率は19.6%(世帯)を叩き出し、他局を沈黙させたことは記憶に新しい。国内ではヒットが確実視されている現状にもかかわらず、TBS幹部連の表情はいまひとつすぐれないという。

「正直、ヒットするかどうかよりも制作費を回収できるかという議論になっているんです。実は、3年前に放送されたシーズン1は3億円以上の赤字。いまだに回収の目途が立っていません。上層部の関心は、いまやその部分に一点集中と言っていいでしょう。今作は前作以上の規模でやることが決定している以上、通常のドラマの物差しでは採算が合わないというわけです」(TBS編成幹部)

ちなみに、前作の制作費は1話あたり1億円規模とも言われている。通常の民放プライム帯ドラマなら、1話あたり3000万円程度が相場。4000万円以上なら、大作と言われるほどカネには厳しい時代なのだ。そうした厳しい環境のなかで、新章『VIVANT』が制作される。そして、上層部にはこんな懸念があるという。

「海外ロケ、豪華キャスト、大規模セット、アクション演出に惜しみなく予算が投じられている。さらに今度の続編は異例ともいうべき2クール連続放送だ。全20話とすれば、単純計算で20億円規模の超大作なんです」(事情通)

グローバル展開が難しい……

もはやNHK大河ドラマ並み、あるいはそれ以上の予算が投入されているのだ。地上波で放送される連ドラ枠としては、まさに前代未聞の規模である。

「TBSサイドとしてはヒットすることは至上命題です。そのため、新章の放送に先立ち、かつての第1シーズンの再放送や配信を始めました。ファンの熱を呼び戻す一方で、新たな視聴者を取り込もうとしている」(制作関係者)

制作サイドは半ば半狂乱になりながらPRに励んでいるのだが、TBS上層部は相変わらずお通夜のように沈み込んでいるという。

「制作費20億円級の作品を国内の視聴率とスポンサー収入だけで回収するのは、現在のテレビ広告市場では不可能なんです。仮にTVerの再生回数が伸びても、地上波全盛期のCM収入を補えるわけではない。グッズ販売やイベント開催も予定されているが、シリアスなドラマだけにアニメやアイドル作品のような“推し消費”には昇華しにくい事情がある」(事情通)

さらなる問題は、盛り上がっているのが日本のみだということ。すでにNetflixで作品は配信されているが、ベスト10どころか注目作にもならず、世界中のメディアから無視されている状況なのだ。

「本来、前作の赤字分は配信で補う予定でした。TBS上層部も、地上波がこれだけヒットしたのだから世界でウケないワケがないと思っていたんです。ところが前作は、国内の熱狂に比べ、Netflix配信では爪痕を残せなかった。日本人には「別班」という言葉だけで陰謀の匂いをかぎ取り、公安、商社、自衛隊、家族の因縁という組み合わせも視聴者は理解できた。だが海外の視聴者には、説明が多く、背景が複雑。テンポより情念を重んじる日本的な展開についてこれなかった」(他局ドラマプロデューサー)

「2クール放送」の罠とは

現在、海外大手配信会社でドラマを担当するプロデューサーはこう語る。

「海外におけるネット配信サービスの利用者は残酷です。興味がなくなってしまえば、物語を理解する前に視聴者は次の作品へ行ってしまう。日本では『考察につぐ考察』がヒットの要因だが、海外の視聴者には分かり易さが求められるんです。作り込みは敬遠されるんですよ」

さらに、2クールという長さもネックになるという。前作は10話に情報を詰め込み、どうにか逃げ切ったのだが、今作は詰め込むにしても話数が多すぎる。

「当然ながら、新しいキャラが登場するでしょう。新たな任務や伏線もあるはず。この時点で、視聴者がついてこれない可能性があります。少しでも展開がもたつけば、視聴者は『難しい』『長い』と離れていく。この種の考察ドラマは熱狂を生む一方で、脱落も早いのです」(他局ドラマ担当編成幹部)

TBSにとって『VIVANT』続編は、単なる人気作の第2弾ではないという。地上波ドラマへの巨額投資という側面もある。国内視聴率、配信、海外販売、広告、周辺ビジネスなどで採算が取れるのかどうかが鍵だ。成功すれば、日本のテレビ局にも世界と戦うドラマを作れるという証明になる。だが失敗すれば、その代償は大きい。

「『視聴率を取っても儲からない』という理由で、この種のドラマが制作されなくなる可能性も否定できない。まさに時代劇が消えていったのと同じ現状にあるわけです」(広告代理店幹部)

華やかな番宣の裏側で、TBS幹部の眠れない日々は今日も続くだろう。

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