「大阪王将 天満橋店」でモーニングを楽しむ人たち(大阪市中央区で)=原田拓未撮影

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 朝食を割安で提供する「モーニング」に力を入れる外食チェーンが増えている。

 物価高や人件費の高騰が続く中、朝の時間帯を新たな収益源にする狙いだ。単身者や共働き世帯の増加に加え、「コスパ(費用対効果)」や「タイパ(時間対効果)」を重視する傾向が広がっていることも、こうした動きを後押ししている。(相間美菜子)

物価高

 大阪市中央区の「大阪王将 天満橋店」は早朝、モーニング目当ての来店客でにぎわう。昨年12月から開店時間を4時間早い午前7時半に前倒しし、ワンタンスープやミニラーメンなどのセットのほか、300円台から食べられる豚まんや水ギョーザなど10種類以上を提供している。

 週末、ランニング帰りに寄ったという大阪府東大阪市内の会社員男性(30)は、玉子粥(たまごがゆ)にチャーシューや目玉焼きが付いたセット(税込み650円)を注文した。男性は「物価高で自炊が必ずしも節約につながるとは限らなくなっている。調理や後片付けのことも考えると、特に朝は外食の方がコスパ、タイパに優れている」と話す。

 平日の来店客は出勤前の会社員、休日は家族連れや訪日客が中心で、多い日は50人を超えるという。フランチャイズで同店を運営する高尾泰好社長(65)は「これまで来てくれていなかった客層の開拓につながっている」と喜ぶ。

 大手チェーンはこぞってモーニングを充実させている。ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」は、トーストや卵かけご飯のセットなどを提供。イタリアンレストラン「サイゼリヤ」は昨年6月、「朝サイゼ」を首都圏の一部店舗で始めた。開店(午前7〜8時)から午前10時まで、パン類などとドリンクバーのセットが300〜400円台で楽しめる。今後、エリアを広げていくという。

市場規模最大

 物価高で節約志向が強まる中、外食を控える動きが広がっているが、モーニングに限ると市場は拡大している。市場情報会社のサカーナ・ジャパンによると、2024年度(24年10月〜25年9月)の外食における朝食市場は5347億円。コロナ禍では落ち込んだものの、この3年で3割伸び、過去最大となった。

 外食チェーンにとって、モーニングには、これまで使えていなかった朝の時間帯に店舗の稼働率を上げられる利点がある。さらに、スマートフォンで注文から決済まで完結する「モバイルオーダー」のほか、「セルフレジ」や「配膳ロボット」が広がり、少ない人員で営業できるようになっていることも大きい。

 外食ビジネスに詳しい三輪大輔氏は「朝の営業は人手がかかる割に客単価が低いとみなされてきたが、今は最小限の人員でできる体制が整いつつある。低価格のモーニングは、来店のハードルを下げながら、昼や夜の利用につなげる入り口にもなっている」と指摘している。