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 ◇セ・リーグ 広島7-4DeNA(2026年6月30日 新潟)

 広島・佐藤啓介内野手(25)が30日のDeNA戦でプロ初の決勝打を放った。1点を追う9回、同点に追いつき、なおも1死満塁から代打起用され、中前に勝ち越しの2点適時打。この回、打者10人の猛攻で5点を奪う逆転勝ちで、6月は9勝9敗1分け。3カ月連続負け越しを阻止し5位転落も免れた。

 押せ押せの流れに代打・佐藤啓も乗った。9回に追いつき、なおも1死満塁。代わったばかりの右腕・伊勢の甘く入ってきた初球の変化球を迷いなく振り抜いた一撃は中堅に抜けた。勝ち越しの2点打は3年目でプロ初の決勝打となり、一塁塁上で両手を突き上げ、歓声を一身に浴びた。

 「甘い球がきたら打っていこうと決めていた。ずっと準備しイメージしていたので良い感覚で打席に立てた」

 土壇場の状況でも冷静に打席に立った。起用に備えて、ベンチ裏では黙々と準備。相手投手陣の映像を確認しながら、かねて野間、秋山らからもらった助言も参考にバットを振り、巡ってきたチャンスで結果につなげた。

 「2軍に落ちるたび、自分の中で何が足りないのかなとずっと考えながら、毎日コツコツと積み上げてこられた。その自信を持って、打席に立っている」

 今季は開幕1軍で迎えたが、15打席無安打と苦しみ2度の2軍降格を経験。それでも、再昇格した6月19日以降は出場6試合中5試合で安打を記録するなど徐々に結果が表れ始めた。新井監督は「彼も一生懸命な選手。名原同様に気持ちが伝わる。それは練習のときから。そういう意味でもうれしい」と活躍を喜んだ。

 チームは2012年以来となる新潟での一戦だった。サトウのごはんで知られる「サトウ食品スペシャルゲーム」で、佐藤が躍動。「お米が大好きなので、新潟のお米が合っていたのかなと思います」と笑みを浮かべた。

 「地域政策とか、地域の課題を解決するみたいな事を勉強していた。自分で課題を見つけてきて、どう解決するかと。答えはないので、勉強になった」

 静岡大では地域創造学環で学んだが、今の立場でも生かされている。レギュラーでもなく、1軍を確約されている訳でもない。巡ってきたチャンスで結果を残すにはどうすればいいのか――。今も問い続けながら「自分の中でつくり上げていっている」という。地道な努力を続ける25歳。この日の成功体験を自信に変え、今後への糧としていく。(長谷川 凡記)

≪23年育成ドラフト2位、24年に支配下選手昇格≫

 ◇佐藤 啓介(さとう・けいすけ)2001年(平13)5月24日生まれ、愛知県出身の25歳。中京大中京では3年夏の愛知大会4強で甲子園出場なし。静岡大では1年秋からベンチ入りし、大学通算19本塁打。23年育成ドラフト2位で広島入り。1年目の24年6月7日に支配下選手へ昇格し、同9日のロッテ戦で1軍初出場。1メートル82、93キロ。右投げ左打ち。