「軒下に泥でつくったような見事な器?その中にハチの巣?」コガタスズメバチが途中で放棄したか「いったいなぜ?」
こんなところに照明があったっけ?
軒下に泥でつくったような形の整った器が逆さまにぶら下がっているのを見つけました。
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とても薄い作りで、厚さは1㎜あるかどうか。
(筆者は備前焼を習ったことがありますが、ここまで見事に仕上げたことは一度もありません)
照明の傘?
照明の傘でしょうか?
いいえ。よく見ると、器のようなものの中には、小さなハチの巣らしきものが見えるではありませんか。
さらに、そのそばには、小さなコウモリのようにぶら下がった、むき出しタイプの小さなハチの巣も。全長は5㎝足らず。
人の往来も多い場所です。駆除したほうがよいのでしょうか。
害虫駆除を専門とする東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。
2種類のハチの巣
──これは何でしょうか?
(東洋産業 大野竜徳さん)
「コガタスズメバチの巣とアシナガバチの巣(セグロアシナガバチ?)ですね。見た感じ、どちらの巣も使っていないように見えます。
ハチの巣は、春から女王様がワンオペで新築の巣を作り始めます。木の皮をかじってこういう巣を作っていくので、彼女らの巣は紙のようなものでできています。きれいですよねぇ」
──泥ではなく、木の皮が原料だったのですね。
女王バチが放棄した巣?
──この巣はどういう状況?
(東洋産業 大野竜徳さん)
「この時期は働きバチが出ていないともう遅いです。つまり、巣をよく見れば、女王バチや巣を守る働きバチが巣の周りにいて、巣の中には幼虫が見えている時期ですね。
そう考えると、これらの巣は住民が見えませんので空の巣なのだろう、と考えます。
器つきのほうは、もっと早く、おそらく4~5月には空の巣だったのではないでしょうか。明らかにこれは初期段階の巣ですから。
コガタスズメバチの巣は順調に育っていれば、まだ下側に細く伸びたトンネルのような出入り口もあるはずです。
おそらく、両方の巣とも女王様がワンオペ育児中に何らかの事故にあって命を落とし、帰れなくなったことで、巣は廃墟になってしまったのでしょう。
いくら強いハチとはいえ、巣作りは命がけで、巣づくりの初期は女王バチがたった一匹で餌集めも巣づくりも子育てもこなします。鳥やクモなどの天敵に襲われたり事故に遭ったりして、巣づくりが途中で終わってしまうことも珍しくないのです」
駆除の必要は?
(東洋産業 大野竜徳さん)
「ハチの巣は女王様が一匹で、あるいはお引越し先で家族全員で作るかですが、中古住宅には一切興味がないようで、リフォームもしません。
この巣はもう放っておいてもほかのハチが転居してくる心配はありません。
放っておいたらそのうち雨風などで朽ちて崩れてなくなっていきますが、気持ち悪ければ時間を置いてもう一回見てみて、ハチの姿がなければ落として構いません。
もし巣の中にハチがいれば、夜間は多くの種類で活動が鈍りますが(夜間でも活動するモンスズメバチなどもいます)、不用意に近づいたり刺激したりすることはおすすめできません。ハチがいるかどうか判断がつかない場合は、無理をせず専門業者へ相談してください。
特にハチの巣の除去は安全を必ず確認して行ってください。毎年多くの人がハチに刺される事故が起こっており、実は日本人の野生動物による死者で毎年トップクラスがハチに刺されることによる事故です」

