Kazumi Ogata

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2026年5月24日、マセラティジャパン主催によるツーリングイベント「マセラティジャパングランドツアー2026淡路」が開催された。サブタイトルとして「Amici di Maserati」(マセラティの友人たち)と名付けられた本イベントは、いまのマセラティオーナー像を象徴するようなアットホームな雰囲気をたたえたものだった。

【画像】サプライズで俳優の速水もこみち氏が登場!盛り上がりを見せたマセラティでの淡路島へのツーリング(写真12点)

トライデント100周年を祝う旅

2026年は、ブランドの象徴である「トライデント」ロゴの誕生100周年、ならびにモータースポーツ活動「マセラティコルセ」100周年というマセラティにとって大切な節目の年にあたる。1926年、初めてのトライデントを冠したレーシングマシン「Tipo 26」がタルガ・フローリオに参戦しクラス優勝。これをきっかけに世界中のジェントルマンドライバーからマシンの注文が殺到するようになり、マセラティの名は広く知れ渡るようになった。ちなみにこの初のトライデントはマセラティ兄弟のひとりマリオによって描かれたものだったという。マセラティ創業の地、ボローニャの象徴であるネプチューンの噴水から着想を得たもので、海神ネプチューンが手にする三叉槍は、力強さと威厳を象徴する存在としてTipo26にはじまりそののち、すべてのマセラティ車に受け継がれるブランドの象徴となっている。

このたびトライデント・ロゴの100周年を祝うイベントとして企画されたのが「マセラティジャパングランドツアー2026淡路」。2年前の2024年にマセラティ創業110周年を祝うイベントが東京で行われたこともあり、今回は関西エリアでの実施となった。イベント概要は京都、大阪北、心斎橋、神戸、高松、広島の6拠点のマセラティ正規ディーラーのお客様たち合計69台、120名が参加。オーナーはそれぞれの拠点をスタートし最終目的地である淡路島のグランドニッコー淡路を目指すというもの。我々の道程は大阪北と心斎橋という大阪の2拠点のオーナーに密着するものだった。

家族連れや女性も楽しめるように

雨の予報に反して当日は快晴。朝9時、大阪の2拠点から参加する16台がツーリングの出発地点である六甲山サイレンスリゾートに集った。ここは阪神間の町並みや瀬戸内海を見渡すもとは六甲山ホテルとして知られた場所で、創業は1929年と奇しくもトライデントとわずか3年違いの長い歴史をもつ。現在はホテルとしての営業はおこなっていないが、耐震、修復工事などが行われ 2007年には国の近代化産業遺産に認定されている。

その駐車場に最新のMCPURA、MC20、グラントゥーリズモ、グランカブリオといったスポーツモデルをはじめ、クアトロポルテ、ギブリ、レヴァンテ、グレカーレなど近年のマセラティモデルが勢ぞろいした。特にいまやマセラティのセールスの7割以上を占めるというグレカーレの参加台数がもっとも多く、家族連れや女性オーナーの顔も多く見られた。六甲山サイレンスリゾートでティータイムがてらブリーフィングを行い、そののち参加者の集合写真を撮り終えると淡路島へと向かうことに。ここからは約40km、所要時間は40分ほどの道のりゆえプレッシャーもなく、みなリラックスしている様子。

スタッフの声掛けによって、8台ずつの2チームに分かれて隊列を組んでスタートする。直後に走行するのは、裏六甲ドライブウェイ。タイトなコーナーが連続する、ドライブやツーリング好きにはつとに知られた道だ。適度なスピードで下っていくと、目を三角にして飛ばさなくともマセラティのハンドリングのよさが実感できるコースだ。およそ5kmのワインディング区間が終わると、次は阪神高速にのる。日曜日だけに交通量は少なくないが、一行は隊列を整えながらゆっくりと進んでいく。これならツーリング初心者でもあわてることなく、安心して走行できる。

ツーリングのハイライトは明石海峡大橋。兵庫県神戸市と淡路島を結ぶ橋長3911m、中央支間長1991mの世界最大級のつり橋だ。1998年の開通以来、関西と四国を結ぶ交通の要衝であると同時に、美しくライトアップされる夜景など世界的な観光名所となっている。余談だが、海面上約300mの主塔にのぼり360°のパノラマを見渡すことができる明石海峡大橋塔頂体験ブリッジワールドは高いところが平気であれば一度は参加しておきたい是非モノのツアーである。

閑話休題。明石海峡大橋をわたればものの数分で淡路ICに到着。海沿いの道を3kmほど走ればゴール地点のグランドニッコー淡路(旧ウエスティンホテル淡路)に到着する。ここは、建築家安藤忠雄氏が手掛けた巨大な複合リゾート施設・淡路夢舞台の一部であり、もちろんこのホテルも安藤忠雄氏によるもの。山の斜面に沿って百個の花壇が階段状に連なる「百段苑」や「山回廊」、「円形フォーラム」、そしてこのホテルのウェディングの場として使われている「海の教会」など、安藤建築の集積地となっている。

つながることの楽しさを知る

駐車を終えるとパーティ会場へと誘われる。入り口の前にはGT2 STRADALEが展示されており、会場内に足を踏み入れるとトライデントとマセラティコルセの歴史を紹介する展示が出迎えてくれ、その奥にはパーソナライゼーションプログラム・フォーリセリエで仕立てられたMCPURA Cieloが鎮座する。そしてMCのオープニングトークを皮切りに本日のメインイベントであるランチが始まった。淡路島の野菜や近海の魚、淡路牛など地元の素材をふんだんに使用したイタリアンのフルコースだ。

ほどなくトークショーが始まった。ゲストは俳優の速水もこみち氏。思わぬサプライズに参加者たちから歓声がわき起こる。実は参加者よりも少し遅れて大阪心斎橋をスタートし、自らグレカーレのステアリングを握ってツーリングに参加していたそうだ。人生初のツーリングに高揚感を覚え、マセラティオーナーとのつながりを感じたと話した。氏は仕事での移動も含めほぼ毎日ステアリングを握る。月に2〜3度は京都まで自走するほどで、玄人はだしの料理の腕をいかしキャンプも定期的に行う。それだけに荷物がたくさん積めてグランドツーリング性能にも優れたSUVが好みという。そしてグレカーレのことを「どの角度から見ても佇まいがエレガントでありながら力強さもあってワクワクしましたし、ドライブするとクルマと一体になる感覚が味わえました。ドライブモードを切り替えればときにはスポーティに、また、助手席や後席の人も快適なようにきれいに走ることもできました」と評した。

トークショーのあとのプレゼント抽選会も大いに盛り上がり、そして大団円を迎えた。ツーリングイベントというと長い距離を走行することに重きを置くものが一般的だと思われるが、この日はだいぶ様相が違っていた。単なるツーリングではなく、マセラティオーナー同士がつながる、すばらしい時間を共有する、まさに「Amici di Maserati」なイベントだった。

文:藤野太一 写真:尾形和美、マセラティジャパン
Words:Taichi FUJINO Photography:Kazumi OGATA, Maserati Japan