JRT四国放送

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阿波市に、余った木材を使って新しいものを生み出す工房があります。

少しでも捨てられる木を減らしたい。

木のぬくもりを愛し、温かな作品を生み出す夫婦の取り組みを取材しました。

(木工職人・佐々木鷹さん)
「金属とかと違って、ぬくもりとか温かみが(ある)。何か工夫すれば何かに生まれ変わるっていう、木ならではで面白いなと」

佐々木鷹さん、徳島市出身の木工職人です。

高校卒業後、大阪の専門学校で建築について学んだあと、県内の木工所などで家具職人として10年以上腕を磨きました。

3年前に独立し、阿波市に工房を構えています。

(木工職人・佐々木鷹さん)
「小学校の時に、端材を使って船とか飛行機を作ったのが一番初めのきっかけ」
「そこから木工がずっと身近にあって、これを仕事にしたいと思ったのが中学・高校くらい」

佐々木さんが使うのは、木材の使われなかった部分「端材」です。

(木工職人・佐々木鷹さん)
「端材っていう名前はついてしまっているけど、同じ高級な木材には変わりない」
「それを焚物にして燃やしてしまうよりかは、端材自体にも付加価値をつけれたらいいなと」

(木工職人・佐々木鷹さん)
「それで行き着いた先がボールペン」

こちらは、佐々木さんが端材を使って作ったボールペン。

木目を生かしたデザインには、ほかの製品にはない温かさとやさしさがあります。

(木工職人・佐々木鷹さん)
「今この角材の状態に持ってきているので、そこに穴をあけて真鍮のパイプを入れている」
「接着してこの機械にセットして、削っていくだけ」

佐々木さんの作業は端材を刃物を使って、丁寧かつ大胆に削っていくことから始まります。

(木工職人・佐々木鷹さん)
「図面とかに縛られていないので、こんな形ってだけで(削る)」
「いっぱい作っているけど、全部少しずつ形が違う、世界に1本かなって思う」

ヤシの木由来の手作りのワックス。

(木工職人・佐々木鷹さん)
「これを塗って、最後に命を吹き込むではないですけど」
「一番仕上げの状態なので、僕もやりながら一番やりがいというか、きれいなって思う瞬間」

佐々木さんが、新しい木材を買うことはめったにありません。

使う端材は、廃業した材木店や家具店から譲り受けることが多いそうです。

(木工職人・佐々木鷹さん)
「山積みにされている、そういうものって雨ざらしになって、でもちょっと表面削るとものはいい状態でキープされている」
「そのまま処分されるともったいない、日の目見ることないので、どないかしてあげたらなと」

変わった端材もあります。

こちらもとは将棋盤。

アメリカ産の杉は、虎のような木目が特徴です。

これは黒檀。

現在は輸入が禁止されているため、国内に流通していたものを仏壇店から譲り受けました。

こうした多種多様な端材を、佐々木さんは新たな製品へと生まれ変わらせます。

廃業したお店から処分に困っていたテーブルを譲り受けた際には、ボールペンにしてお返ししたそうです。

(木工職人・佐々木鷹さん)
「他にはないもので、すごく喜んでくれました」
「(くれた人の)おじいちゃんの会社だったので、形見ではないですけど、名残として残せて返せたので」
「小さいものにできたので、それは良かったかなと思います」

妻・友香里さんは。

(妻・佐々木友香里さん)
「一般的なボールペンじゃなくて、アトリエ・ヘーゼルだけの形のボールペンを、急に思いついて作り始めてというのが本当にすごくて」

そう話す友香里さんは、電熱ペンで板を焦がしながらイラストや文字、模様を描くウッドバーニングという分野のアーティストです。

(ウッドバーニング作家・佐々木友香里さん)
「一つの機械と一つのペン先で温度変えながら、グラデーションとか濃淡ができることが、ウッドバーニングの楽しいことの一つ」

友香里さんとウッドバーニングとの出会いには、こんなエピソードが。

(ウッドバーニング作家・佐々木友香里さん)
「結婚して初めての(鷹さんの)誕生日があって、誕生日レゼント何がいいって聞いたら、ウッドバーニングが欲しいっていうので」

リクエスト通りウッドバーニングの電熱ペンをプレゼントしたものの、いつしか友香里さんの方がウッドバーニングの虜になってしまったんだそうです。

(木工職人・佐々木鷹さん)
「プレゼント返すっていうか、あげるわって感じで、のめり込むようになりました」

(ウッドバーニング作家・佐々木友香里さん)
「作ってみたら、私の方が上手かったという感じ」

6年間の勉強の末、ウッドバーニング認定講師の資格を取得しました。

イラストより模写が得意だという友香里さんの作品は、奥行きがあり、心がほっこり温かくなるようなものばかりです。

そんな2人のスキルを活かした、工房のオリジナル作品。

(ウッドバーニング作家・佐々木友香里さん)
「アクセサリーにしても、すべて木を使っている。木の部分は主人に頼むことが多い」
「私の曖昧な表現でもしっかり形にして返してくれる、それは本当にすごいありがたい」

(木工職人・佐々木鷹さん)
「僕が作ったものに対して、(ウッドバーニングで)付加価値をつけられることが、他にはない強み」
「夫婦やし、2人でやるのにはやっぱり意味があるんじゃないかなって」

森にそびえる樹々たちのように寄り添い、支え合って、気づけば結婚生活は10年を迎えました。

(ウッドバーニング作家・佐々木友香里さん)
「結婚して10年経ったが、喧嘩は一度もない」

(木工職人・佐々木鷹さん)
「ずっと2人でいても嫌じゃないというか、苦になることはない、この感じを続けられたらなって」

2人にとって、端材は決して余った木材ではなく、新しい命の源。

これからも夫婦二人三脚で、人々に命のぬくもりを届けていきます。

気になるボールペンのお値段は、5500円から8000円ほどだそうです。

アトリエ・ヘーゼルは7月1日、阿南市役所で開かれる夕暮マーケットにも出店予定だそうなので、気になる方は覗いてみてはいかがでしょうか。