「子宮頸がん」の”ステージ別の治療法”はご存じですか?医師が解説!
子宮頸がんの治療方法はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が子宮頸がんのステージごとの治療方法について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「子宮頸がんになる」とどんな『しこり』が現れるのか?しこり以外の症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)
筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。
子宮頸がんとは
子宮頸がんは、子宮の入り口付近に発生するがんで、30~50歳代に多く見られます。このがんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染です。
初期段階ではほとんど症状がなく、不正出血や下腹部の痛みなどの症状が現れたときには、進行している場合が多い傾向があります。そのため、定期的な婦人科検診が重要です。
また、ヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチンの接種もおすすめです。
子宮頸がんステージごとの治療方法
ここでは、ステージごとの子宮頸がんの治療について解説します。
微小浸潤がん(ステージ1A1期)
微小浸潤がんは、早期の子宮頸がんです。この段階では、子宮頸部円錐切除術を行い、腫瘍のある部分を局所的に切除します。
病理診断でステージ1A1期と確定した場合、原則として子宮を切除する手術を追加で行いますが、卵巣は温存できるとされています。
若年の患者さんには妊孕性温存治療として、円錐切除術のみで子宮を摘出しない方法も選択できます。この治療により、術後も妊娠・出産が行える可能性があります。
早期浸潤がん(ステージ1A2~2B期)
早期浸潤がんでは、70歳以下の方に対して手術治療が計画されます。
子宮と腟の一部、周囲の組織を広範囲に切除し、骨盤内のリンパ節も同時に摘出します。
卵巣も原則摘出しますが、ステージ1B2期までの扁平上皮癌の場合は卵巣温存できます。
手術後は排尿障害が起こる可能性がありますが、できる限り神経を温存する手術が行われます。
手術後、ステージ2B期やリンパ節転移陽性、腟の切除断端陽性が確認された場合は、放射線治療が行われます。なかでも再発リスクが高い場合、体外照射と抗がん剤(シスプラチン)を同時に行う同時化学放射線療法が用いられます。
放射線治療では強度変調放射線治療(IMRT)を用いて、腸管への被曝を抑えます。腟の切除断端が陽性の場合には腔内照射も行われます。
手術が困難な方や75歳以上の方には、体外照射と腔内照射を組み合わせた放射線療法や放射線のみの治療が選択され、放射線治療科と連携して治療が進められます。
進行期浸潤がん(ステージ3A~4B期)
進行期浸潤がんでは、ステージ3および4A期の患者さんに対しては、75歳未満の場合は同時化学放射線療法、75歳以上の場合は放射線単独治療が計画されます。
ステージ4B期の患者さんには、主に薬物療法(化学療法)が計画され、薬剤は点滴注射で投与されます。この薬物療法は、腫瘍内科での診療となります。
子宮頸がんについてよくある質問
ここまで子宮頸がんとしこりについて紹介しました。ここでは「子宮頸がん」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
HPVに感染するとかならず子宮頸がんになりますか?
根来 和輝 医師
子宮頸がんは、主に性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)感染が原因で発生します。しかし、HPVに感染したからといって必ずしも子宮頸がんになるわけではありません。
子宮頸がんと子宮体がんは違うがんですか?
根来 和輝 医師
子宮頸がんと子宮体がんは、発生する部位が異なる別のがんです。子宮頸がんは子宮の入り口にできるがんで、主にヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。一方、子宮体がんは子宮の奥、赤ちゃんを育てる子宮体部にできるがんで、エストロゲン(女性ホルモン)の長期的な刺激が主な原因とされています。発症年齢も異なり、子宮頸がんは20代後半から増えるのに対し、子宮体がんは40代以降に多く見られます。
まとめ
子宮頸がんのしこりについて要点をまとめると以下のとおりです。子宮頸がんは、子宮の入り口付近に発生するがんです。初期段階ではほとんど自覚症状がなく、ウィルヒョウリンパ節や足の付け根である鼠径部にしこりができることがあります。
子宮頸がんと関連する病気
子宮頸がんと関連する病気は3個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
婦人科の病気
子宮膣部びらん
膣炎
子宮頸管ポリープ具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。
子宮頸がんと関連する症状
子宮頸がんと関連している、似ている症状は3個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
不正出血おりもの
しこり
これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。
参考文献
子宮頸がん|国立研究開発法人国立がん研究センター
子宮頸部・子宮頸がんについて|独立行政法人国立病院機構四国がんセンター
子宮頸がん|公益社団法人 日本婦人科腫瘍学会

