フジのW杯ブラジル-日本戦は深夜に視聴率15.9%ゲットも…TVer配信見送りの“セコさ”裏目で危うい今後
フジテレビ系で日本時間6月30日午前2時から放送されたサッカー北中米W杯決勝トーナメント1回戦ブラジル−日本戦の平均世帯視聴率が15.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)であることが明らかになった。
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テレビの世帯視聴率はグループリーグ初戦のオランダ戦が27.1%(NHK)、2戦目のチュニジア戦が33.2%(日本テレビ系)、3戦目のスウェーデン戦が35.0%(NHK)を獲得した。
「今、2桁に乗るのは1週間で10番組くらい。スウェーデン戦の30%超えはすごい。ただ、チュニジア戦は日曜の昼で、40%以上いくと思った業界人も多かったのでは。フジも本音を言えば、注目の一戦だっただけに、ブラジル戦で20%が欲しかったところでしょう。これはNHK BSも生中継し、DAZNの生配信もあったことから、視聴者が分散された可能性が指摘されています」(テレビ局関係者=以下同)
過去のW杯では2002年のロシア戦が66.1%、8年前のコロンビア戦でも48.7%を出していた。
「今回、フジテレビも日本テレビもネットで配信せず、テレビの前に座らせて高い視聴率を出そうというセコい作戦に出た。これは疑問です。DAZNが日本戦を無料配信しているため、外出先などで見たい人はDAZNを利用できる。やはりテレビ局上層部の考え方は時代遅れだし、ますますDAZNなどのネット産業に侵食されていってしまう。W杯で、若者にTVerを馴染ませる最大のチャンスも逃してしまったわけです」(テレビ局関係者、以下同)
■NHKはオランダ戦、スウェーデン戦を配信したものの…
一方、オランダ戦、スウェーデン戦を中継したNHKはどちらの試合も「NHK ONE」で配信している。
「この点は日テレより良い。ただ、NHKはBSでのW杯中継は配信していません。NHK BSプレミアム4Kでは全104試合を放送しますが、これは衛星契約をしなければ、見られない。地上波の契約のみの世帯だと月850円、NHK未契約月1950円を払わなければなりません。これもセコいように感じますが、背に腹は代えられないのでしょう」
2025年度、NHKの衛星契約数は15万件も減った。新型コロナウイルスが蔓延した2020年度の17万件並みの水準となり、BS離れは深刻になっている。
「NHKの受信契約総数は7年連続で減っており、昨年度まで3年連続の赤字決算です。そのため、W杯を受信料徴収の大チャンスと考えているでしょう。ただ、NHKの場合、一度契約すれば、基本的に毎月お金を払うことになります。そこまでして、W杯全試合を見たいか。熱烈なサッカーファンなら、同じくW杯全試合を放送し、Jリーグ全試合や海外リーグも見られるDAZNに加入しますよね」
NHKがW杯全試合を放送するBS4Kからは民放が一斉に撤退を決めた。コストと収入のバランスが取れないからである。
「NHKは続けていますが、先行きは決して明るくない。BS-TBSの4K放送は約8.6億円の費用に対し、収入は約1200万円だったと伝えられています。NHKだけが良い状態とは思えません。BS4Kを続けている間はまだ経営に余裕があるのでしょうし、受信料の値上げも言い出せないでしょう」
W杯をきっかけに復活を目論むテレビ局。時代遅れの考え方や時代の遺物を引きずったままなら、この先も見通しは暗いだろう。
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