【風間 詩織】妻を、夫をなんと呼ぶ? 『ダーリンは外国人』著者が24年連れ添って感じた「夫婦円満」の秘訣
国籍も文化も価値観も異なるふたりの「発見」
「外国人の夫との暮らし」をユーモラスに描き、大ヒットしたコミックエッセイ『ダーリンは外国人』(小栗左多里著/オーバーラップ)が、オールカラー&デジタル作画のリマスター版として2026年6月15日に復刻した。
国籍も文化も価値観も異なるふたりの結婚生活における「発見」を、笑いとユーモアで描いた本作。けれども、その魅力は異文化ギャップだけではない。長く一緒に暮らす夫婦だからこそ直面する悩みや衝突、関係を続けていくための工夫も、作品の大きな魅力になっている。
今回のリマスター版刊行に合わせたインタビューで、小栗さんは結婚生活についてこう語った。
「夫婦の危機は、何年かに1回は、定期的に訪れます(笑)。
どうするか? 基本的には話し合いです。
最初の危機は、子供が生まれ、環境が激変したころにありました。
それまでは、まあ大人同士なので、お互いの主張が多少ぶつかっても、妥協点を見いだせましたが、争点が子供のことになると、自分がどうこうしたいとかではないので、『正解』が分からないのです」
「しっかり話し合えば…しばらくはもつんです」
「当時は、夜中の2時間おきの授乳と、仕事も半年で復帰したため、私はつねに睡眠不足。産後でホルモンバランスも崩していたこともあって、たぶん、トゲトゲしてたんでしょうね。
それでもふたりで散歩しながら話し合いました。
しっかり話し合えば、関係は落ち着きます。これでしばらくはもつんです。でもまた、時間が経って子どもが成長して、環境が変化すれば、意見の相違がまた出てくる。子どもが乳児、幼児期は衛生管理のことで言い合いましたが、小学校も高学年になると教育についてとか。そうなったら、その都度話し合います。
夫婦で話し合うって、すごく大事なことだと思います」
価値観の違いはなくならない。だからこそ、どう向き合うのか。そのヒントが詰まったエピソードを、漫画とともにお届けする。
「なぜダーリンは私をハニーと呼ばないのか」
トニーさんと同居するようになった小栗さんが、いつも「おかしいな」と思っていたこと。それは、「ダーリン」が自分を「ハニー」とか「ラズベリー・パイ」などと甘い呼び名で呼ぼうとしないことだった。
たしかに欧米の映画などで、妻や恋人に「Sweetie」だの「my baby」など呼びかけるシーンを見る。
「私はいつになったら、『ハニー』だの『ラズベリー・パイ』などと呼ばれるのか」。正面切って尋ねる小栗さんに、そんな呼び方古いよと、笑ってごまかすトニーさん。
ならば、自分から呼んでみようと、映画『月の輝く夜に』を参考に、トニーさんに「私のウルフ」などと呼び掛けてみた。
トニーさんの気持ちは、漫画を見る限り、今一つしっくりきていない様子ではあるが、しばらくは「マイウルフ」「マイチョコレートパフェ」などと呼んでいた小栗さん。それもやがて飽きて通常に戻したころ。
ふたりで散歩中に「マンサク」の木に花が咲いているのを発見。春が来ると、まず一番に咲く花ということから(諸説あり)、東北地方の言葉で「まんず咲く」、「マンサク」という名称になったと知る。
すると、トニーさん、この由来を気に入ったのか、小栗さんを突然「マイ まんずさく」と呼ぶように。さすが「言語オタク」である。
花の名前で呼ばれた小栗さんだったが、それをどう受け止めたのかは、ぜひ漫画でご覧いただきたい。
「子育てにおける意見の相違は、『正解』がわからないから、妥協点を見つけるのは難しい」という小栗さんの言葉は、多くの夫婦の気持ちを代弁したものではないか。
自分の人生であれば、たとえ間違っても、失敗しても、自分で責任をとることになる。だが、子どもの将来に関わることで、夫と意見が割れた場合、そして自分の考えを押し通し、子どもが望むものと違う結果になってしまったら……。
小栗さんの言う「話し合うってすごく大事なことだと思います」こそ、夫婦が長くやっていけるコツなのだろう。
第4話「なぜ日本語は漢字とひらがなとカタカナがあるのか。5ヵ国語話せる言語オタクの『ダーリンは外国人』も驚く深すぎる日本語」では、日本人でも答えられるか、トニーさんの奇想天外な質問が飛び出す。
【第4話】なぜ日本語は漢字とひらがなとカタカナがあるのか。5ヵ国語話せる言語オタクの『ダーリンは外国人』も驚く深すぎる日本語

