関東の地震で「アクセス障害」ネットの災害インフラに出始めたほころび
6月16日に茨城県南部を震源にしたM5.5の地震と、26日に山梨県東部を震源にしたM5.6の地震が発生。それぞれ最大震度5弱と震度6弱を観測し、関東圏の鉄道が停止するなどの被害が起きた。
それぞれの地震の共通点は、関東の陸地が震源というだけではない。どちらも地震の発生直後に、X(旧Twitter)のサーバーがダウンしているのだ。サイトそのものにアクセスできなくなったわけではないのだが、一時はタイムライン、検索結果共に何も表示されなくなり、SNSとしての機能を何一つ果たせなくなっていた。
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Xとのライバル関係を長年維持しているFacebook、Xの「乗り換え先」として度々名前があがるBluesky、国産SNS代表格のMIXIなど、他のSNSでサーバーがダウンしている様子はなかった。また、25日に発生した岩手県沖のM7.2、ベネズエラで発生したM7.4の地震では、このような現象は発生しなかったため、日本の首都圏で地震が発生した時だけ、サーバーがダウンしたということになる。
かつてXは「災害時のインフラ」と呼ばれることがあった。東日本大震災の発生時、多くの震災関連情報と共に他国からの応援なども投稿された。勇気づけられた人、不安を軽減できた人、中には命を助けてもらった人もいるかもしれない。それだけに、Xのサーバーダウンに関して残念だとの声が上がるのは、ごく自然なことだろう。
障害が発生したのはXだけではない。日本気象協会などが運営する天気情報サイト「tenki.jp」のコンテンツである防災情報でも、ピンポイントでアクセス不能になる事象が発生し、数分程度の間「Could Not Connect」と表示された。昨年、tenki.jpはサイバー攻撃を受けてサイトの閲覧が難しくなる状態に陥った。これを受け、急激なトラフィックの増加への対処を行っていたのだが、今度は一般的な用途で使われている最中でエラーが発生してしまったようだ。
アップデート情報に「苦労」を記載
今回の各災害とは関係なく、防災や不測の事態に備えたサービスにも、変化が発生している。
国内最大手のポータルサイトであるYahoo!Japanは、「3.11」と検索すると10円を寄付できるチャリティーサービス、日本赤十字社などへ簡単に寄付できるサービスなどを展開しているが、従業員、生徒らの安否情報を会社などに送信できる「Yahoo!安否確認サービス」が、来年で終了する。一方、LINEは東日本大震災がきっかけで誕生したアプリだが、より災害に密接なサービスを終わらせる決断を下したのだ。
LINEと同じく、震災がきっかけで誕生した「特務機関NERV防災アプリ」にも、異変が起きた。先月配信されたアプリのアップデート情報を知らせる「リリースノート」の欄に、開発チームの近況と書かれた項目を追加。ここには「連日、馬車馬のように働いていました」といった苦労話の他、開発にまつわる様々な情報を記載。完全体でのアプリのアップデートは難しかったようで、試験運用期間が無い状態でアプリのリリースに移ったことも明かしていた。
「ことしの出水期は情報だけに頼らずに、想像力を働かせて自らの判断で行動することを心がけていただけたら」と、防災アプリとしては異例の呼びかけも行っている。地震に限らず、災害大国と呼ばれる日本において防災やそれにまつわる情報は、常日頃から当たり前のように入手できていなければいけないものだが、それらの情報を発信・提供する各種サービスにほころびが生まれ始めている。
文/池田聖人 内外タイムス編集部

