2026年版 ガソリンが世界一高い国 10選 たった1Lで600円超も? 環境政策とインフレで高騰
日本のガソリンは世界平均より安かった
日本の多くのドライバーが、ガソリンや軽油の値段は「高い」と感じているのではないだろうか。筆者も仕事柄、定期的にハイオクガソリン、レギュラーガソリン、軽油を購入しているが、やはり財布にとっては大きな痛手となっている。
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ガソリンスタンドに足を運ぶたびに、ついつい「日本も産油国だったら……」というおかしな考えが頭をよぎってしまう。実際、国内で石油が採れる国ではガソリンも軽油も安い傾向にある。とはいえ、日本は他の国に比べてまだまだ恵まれている方だと思う。

この記事ではオクタン価95ガソリンの価格が最も高い国を紹介する。
世界の燃料・電気・ガス料金をまとめているサイト『GlobalPetrolPrices.com』によると、2026年6月22日時点での世界平均のガソリン価格は1Lあたり1.48ドル(約239.1円)となっている。これに対して日本は1.05ドル(約169.6円)と、世界基準では安い方なのだ。
米国、インド、韓国、英国、ドイツなどと比べても日本のガソリンは安い。ただ、まぁ、筆者の実感としては「そうはいっても高いだろ!」というのが勝るし、物価も所得も違うので、一概に良し悪しの判断はできない。
しかし、日本のガソリン代を客観的に見ることは大事だし、面白いことだと思う。各国のクルマに対する価値観の違いも見えてきそうだ。そこで今回は、「世界で最もガソリン代が高い国・地域」と「世界で最もガソリン代が安い国・地域」のトップ10をそれぞれ紹介したい。
まずはガソリン代が高い国の第10位から第1位までを見ていこう。
※注釈
・オクタン価95のガソリン1Lあたりの価格を掲載(全て筆者、編集部調べ)。
・価格はすべて米ドルベース。日本円に換算したものをカッコ内に記載。
・この記事は日本国内の燃料価格や政策に対し、特定の主張を述べるものではありません。
スイス:2.326ドル(約376.5円)
ガソリン価格が高い国の第10位に入ったスイス。2022年以降に1Lあたり2フラン(約400円)を超えるなど燃料代の急騰を経験したものの、その後時間をかけて一旦は落ち着きを取り戻した。現在は小康状態にあると言えそうだが、2024年時点の2.110ドル(約341.5円)よりも上昇していることに違いはない。
そのため、ドライバーの中には安い燃料を求めてフランスやオーストリアに渡る人もいるようだ。スイスとオーストリアの国境には免税エリアがあり、比較的安く給油できる。しかし、ほとんどのドライバーは諦め、燃料税、燃料税サーチャージ、輸入税などを含む高い料金を支払っている。ライン川を利用した輸送コストも、ガソリン代に響いている。

スイス:2.326ドル(約376.5円)
リヒテンシュタイン:2.335ドル(約377.9円)
スイスとオーストリアの間に位置するリヒテンシュタイン公国も、燃料代が高いことで知られている。国内に石油の埋蔵量がないため、すべて輸入に頼らなければならない。しかも陸路で運ばれてくるため、コストがかさむのも無理はないだろう。税金の高さも価格に影響を与えている。

リヒテンシュタイン:2.335ドル(約377.9円)
ウルグアイ:2.339ドル(約378.6円)
南米ウルグアイで燃料価格が高いというのは、少し意外に思われるかもしれない。実際、2016年時点ではガソリン1Lあたり約42.5ウルグアイ・ペソ(約171.43円)と安価だった。それからゆるやかに上昇していたが、他国と同じように2022年に急騰。過去10年間で2倍以上となった。
ウルグアイは産油国だが、年間の石油生産量はわずかで、使用量のほとんどを輸入に頼っている。また、燃料価格は国営企業のANCAPが決定している。

ウルグアイ:2.339ドル(約378.6円)
シンガポール:2.349ドル(約379.5円)
シンガポールもまた、過去10年間で急激な高騰を経験している国だ。2022年に一度ピークを迎えた後、横ばいが続いていたが、今年に入って再び高騰。政府は省エネのためにエアコンの設定温度を上げるよう促している。
近年のシンガポールの経済成長には目覚ましいものがあるが、原油をはじめとする資源の多くを外部に依存している点は問題視されがちだ。

シンガポール:2.349ドル(約379.5円)
フィンランド:2.486ドル(約402.4円)
ここ数年のフィンランドのガソリン価格は落ち着きを見せていたが、例にもれず今年に入って高騰している。北欧諸国は従来からガソリンが比較的高い傾向にあるが、近隣のノルウェー(2.109ドル=約341.40円)やスウェーデン(1.768ドル=約286.20円)と比べても、フィンランドの価格は群を抜いている。
ガソリン代が高い理由の1つは税金だ。日本の財務省がまとめた「ガソリン1L当たりの価格と税の比較(2024年第3四半期)」によると、北欧諸国ではいずれもガソリン価格に占める税金の割合が50%以上と高く、中でもフィンランドは約57%に達している(日本は約40%)。

フィンランド:2.486ドル(約402.4円)
オランダ:2.545ドル(約411.9円)
前項で触れた「ガソリン1L当たりの価格と税の比較(2024年第3四半期)」を見ると、オランダではガソリン価格に占める税金の割合が58%を超えおり(欧州トップクラス)、それが価格の高さにつながっていることがわかる。
オランダ政府は中東情勢の変化に伴う燃料価格上昇への対応として、一部の自動車税の免税や減税、補助金などを導入しているが、今のところ燃料税の一律引き下げは見送っている。

オランダ:2.545ドル(約411.9円)
デンマーク:2.551ドル(約412.9円)
デンマークは現在、欧州で最もガソリン代が高い国となっている。環境政策のために高い燃料税を課し、車両からのCO2排出量削減を図っている。その成果は明確に表れており、新車販売におけるEVの割合は80%近い。

デンマーク:2.551ドル(約412.9円)
イスラエル:2.687ドル(約434.9円)
イスラエルにおけるガソリン代の大部分は、高額な税金によるものである。燃料税とは別に付加価値税が課され、さらに関税もかかる。前述の「ガソリン1L当たりの価格と税の比較(2024年第3四半期)」では、ガソリン価格に占める税金の割合が60%を超え、OECD加盟国で断トツだ。
イスラエルは中東にありながら、国内の石油埋蔵量はわずかであるため、燃料の大半を輸入に頼っている。つまり、原油価格変動の影響を受けやすい。石油はすべて海路で輸入するが、固定パイプラインよりも割高で、コスト上昇の一因となっている。

イスラエル:2.687ドル(約434.9円)
マラウイ:3.234ドル(約523.5円)
アフリカ南東部に位置するマラウイ共和国では、国民は非常に激しいインフレに苦しんでおり、ガソリン代もこの10年で約10倍に値上がりしている。2016年のガソリン1Lあたりの価格は690.5マラウイ・クワチャ(約64.42円)だったが、2026年には6672マラウイ・クワチャ(約622.45円)にまで上昇。本稿執筆時点では5619マラウイ・クワチャ(約524.21円)に下がったが、それでも驚くべき数字である。
このようなインフレの主な原因の1つは外貨不足にあると言われている。マラウイは産油国ではないため、燃料を輸入に頼らなければならず、それが価格高騰の一因と思われる。

マラウイ:3.234ドル(約523.5円)
香港:4.073ドル(約659.3円)
香港は土地が限られており、自動車所有率は先進国の他の地域よりもはるかに低い。自前の石油精製能力を有していないこともあって、ガソリン1L当たりの価格は世界で最も高くなっている。
燃料や自動車の購入には高い税金がかかるため、自家用車の所有意欲は抑制され、市民は一般的に公共交通機関を利用している。また、地価が非常に高く、ガソリンスタンドの運営コストもかさむ。香港で自動車に給油するというのは、もはや贅沢な行為だと言える。

香港:4.073ドル(約659.3円)
さて、ここまではガソリン代が高い国・地域のトップ10を見てきた。記事の続編では、ガソリン代が安い国・地域のトップ10も紹介するので、そちらもお楽しみいただきたい。
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