捕手目線で見た最強の左打者とは「落合さんの左打者版」「移籍後すごみを増した」元広島の西山秀二さんが語る
1990年代の広島を正捕手として支え、20年の現役生活を送った西山秀二さん(58)が、捕手目線で見たすごい打者とは−。前回は、最強の右打者にロッテ、中日、巨人、日本ハムで活躍し3度の三冠王に輝いた落合博満氏を挙げたが、最強の左打者には5人の名前を挙げた。まずは「落合さんの左打者版」と表現する2人のバッターについて語った。
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「僕がプロ野球で見た最強の右バッターと言ったら落合さんなんです」。そう話した西山さんは「左バッターで言うなら、金本と前田やと思いますね」と金本知憲選手、前田智徳選手という広島時代の同僚2人の名前を挙げた。
落合選手に関連づけて2人の名前を出したのには理由がある。
「実際にマスク越しに彼らの反応を見てすごいなと思ったのは、落合さんと一緒で、この2人もポイントが本当に近いんです。捕球する寸前にバットが出てくるんですよ。そこで間に合うんかというタイミングで。だから落合さんを左にしたような感じ。落合さんの左打者版が金本と前田なんです」と解説する。
金本選手は西山さんの1歳下で、91年度のドラフト4位。前田選手は4歳下で89年度のドラフト4位で広島に入団。その後、2人とは同時代にチームメートとしてプレーしている。
当時の対戦は当然ながら紅白戦などに限られているが「前田は一緒にやってる時からすごいなと思っていた。けど、金本は入ったころはひょろっとしてたし、一緒にやってる時はそこまでは思わなかった」と振り返る。
熊本工高から入団し、プロ2年目で早々と外野のレギュラーを獲得した前田選手は、アキレス腱断裂という大けがを乗り越えて24年の現役生活を送り、通算2119安打、通算打率・302を残して名球会入りも果たしている。
一方の金本選手は94年から広島のレギュラーに定着して主力として活躍。2000年には30本塁打、30盗塁、打率・315で史上7人目のトリプルスリーの偉業も達成していたが、西山さんの金本選手への見方が大きく変わったのは、03年にFAで阪神に移籍して以降だったという。
「カープ時代より阪神に移籍してからすごみを増した。これが阪神の4番なんだと。5億とか年俸をもらってね。これが金本なんだって、改めてすごさを感じた」
随一の人気球団に移籍した金本選手は、移籍元年の03年、05年にリーグ優勝に貢献し、05年にはMVPにも選出された。広島時代の99年から2010年までは1492試合連続フルイニング出場の世界記録も樹立している。
「スイングの強さもそうだし、ポイントの近いところでどんな球でも対応しようとする。読みであったり、そういう部分での一層のすごみを、公式戦で対戦するようになって初めてというか、一段とというか、改めて、そのすごさが分かりましたね」としみじみと語った。
西山さんの20年を上回る21年の現役生活を送った金本選手は、2012年の引退まで通算2539安打を放ち、通算476本塁打を記録した。
「のちに2000本も打つし、ホームランだって500本近く打っている。これはやっぱりすごいバッターやなって改めて思いますよ」
“鉄人”に改めて敬意を送った。
さらに「ちょっと特殊なんですよ」として名前を挙げたのは、日本球界から大リーグへと羽ばたきレジェンドとなったあの選手だった。
(デイリースポーツ・若林みどり)
西山秀二(にしやま・しゅうじ)1967年7月7日生まれ。大阪府出身。上宮高から1985年のドラフト4位で南海に入団。87年のシーズン途中で広島にトレード移籍。93年に正捕手となり94、96年にはベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。広島の捕手として初めて規定打席に到達して打率3割をマーク。2005年に巨人に移籍し、その年に引退。プロ在籍20年で通算1216試合、打率・242、50本塁打、36盗塁。巨人、中日でバッテリーコーチを務めた。

