年金だけでは生活が苦しいのに、公営住宅の家賃が突然「2倍」に!私の収入は変わっていないのに、なぜ“月3万円”も払わされるのでしょうか?
公営住宅の家賃は「収入」と「住宅の条件」で決まる
公営住宅の家賃は、入居者の収入に応じて決まる「応能応益家賃」という考え方が基本です。
「応能」は支払う力、「応益」は住んでいる住宅から受ける利益を意味します。つまり、公営住宅の家賃は、収入が低い世帯ほど負担が軽くなるように配慮されつつ、住宅の広さや築年数、立地なども加味して決められます。
そのため、同じ公営住宅でも家賃が一律とはかぎりません。例えば、駅に近い住宅や広い部屋は、同じ収入の世帯でも家賃が高くなる一方、築年数が古い住宅では家賃が低めになる場合もあります。
また、公営住宅の家賃は、毎年の収入申告をもとに見直されます。申告した世帯収入や家族構成が翌年度の家賃に反映されるため、収入が大きく変わっていないつもりでも、同居家族の収入や控除の変化によって家賃が上がる場合があります。
月1万5000円から3万円に上がる主な理由
家賃が月1万5000円から3万円に上がった場合、まず考えられるのは、収入区分が変わったケースです。公営住宅では、世帯の所得に応じて家賃の段階が分かれています。年金額そのものが少し増えただけでも、控除後の所得や同居家族の収入によって、家賃区分が上がることがあります。
例えば、本人の年金額に大きな変化がなくても、同居している子どもが働き始めれば、世帯全体の収入は増えるでしょう。公営住宅の家賃は本人だけでなく、原則として世帯全体の収入で判断されるため、本人が年金生活でも家賃が上がることがあります。
次に多いのが、収入申告をしていない、または必要書類が不足しているケースです。収入申告が確認できないと、本来より高い家賃が設定される場合があります。例えば、大阪市では、収入申告書を提出しない場合、近隣の民間住宅の家賃に近い「近傍同種の住宅の家賃」になると案内しています。
さらに、収入が一定基準を超えると「収入超過者」と認定される場合があります。この場合、家賃が通常より高くなり、住宅を明け渡す努力義務が求められることもあります。
収入が一定の基準を超えて収入超過者になると、通常の家賃に加えて、収入に応じた上乗せ分が発生します。ただし、家賃の上限は、近隣の同じような住宅の家賃をもとに決められます。
年金生活で家賃が苦しいときは減免や再申告を相談する
家賃が上がって生活が苦しい場合は、通知を見て終わりにせず、自治体や住宅管理窓口に相談しましょう。年金収入が下がった、同居家族が転出した、医療費の負担が増えたなど、世帯の状況が変わっている場合は、家賃の見直しにつながることがあります。
特に確認したいのは、収入申告の内容です。年金の源泉徴収票、課税証明書、同居家族の収入資料などに誤りや不足があると、正しい家賃にならない可能性があります。書類を出したつもりでも、期限後の提出や記入漏れで未申告扱いになることもあるため注意が必要です。
また、多くの自治体では、病気や失業などによる収入減少、災害などで家賃の支払いが難しい世帯に対して、減免制度を設けています。制度の名前や条件は自治体によって異なりますが、年金生活で急に家賃の負担が重くなった場合は、早めに相談しておくと安心です。
公営住宅の家賃が上がったら、通知内容と収入申告を確認しよう
公営住宅の家賃が急に上がる背景には、世帯収入の変化や同居家族の収入、収入申告の未提出、書類の不備などがあります。本人が年金生活でも、同居する家族に収入があれば、世帯全体の収入として判断される点に注意が必要です。
また、収入申告を忘れると、本来より高い家賃になることもあります。家賃が月1万5000円だった家賃が3万円に上がれば、年間で18万円の負担増です。
年金生活では大きな差になるため、まずは通知書の内容を確認し、不明点があれば自治体や管理窓口へ早めの相談が大切です。状況によっては、再申告や減免申請によって負担を抑えられる可能性があるため、必要な手続きを進めましょう。
出典
国土交通省 所得税法改正を踏まえ、公営住宅の入居者の「収入」の計算における控除を改正します ~「公営住宅法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定~
大阪市 市営住宅の家賃について
国土交通省住宅局 公営住宅制度の概要について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
