【W杯】米国が4発快勝 今大会初の1試合2得点バログンはイングランドから代表変更の“ラストピース”
◇W杯北中米大会1次リーグD組 米国 4―1 パラグアイ(2026年6月12日 ロサンゼルス)
FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会のホスト国の1つ、米国が12日(日本時間13日)、1次リーグD組の初戦でパラグアイを4―1で制した。
1994年大会以来、32年ぶりとなった自国開催でのW杯。FWバログン(モナコ)が、今大会初の1試合2得点と躍動した。
1―0の前半31分、左サイドを駆け上がったMFプリシック(ACミラン)からのマイナスのパスを受け、右足でゴール左に流し込んだ。前半追加タイムにも追加点。ハーフライン付近からの縦パスに抜け出し、巧みな切り返しでDF2人をかわしてから左足で左上を射抜いた。
「素晴らしい一日になった。とにかく勝ち点3を取れてうれしい。僕にとって初めてのW杯で、2ゴールという形でスタートを切ることができ、これ以上望むことはない。本当に最高だ」。後半27分までピッチに立ったストライカーはゴールの喜びを語り、「僕たちには、プラスアルファの戦力(12人目の選手)としてサポートしてくれるファンの存在が必要。そして今日、彼らはまさにそれになってくれた」と地元の大声援にも感謝した。
米ニューヨークで生まれ英ロンドンで育ったバログンは、イングランドの各年代別代表とU―18米国代表でプレーした経歴を持つ。下部組織から在籍したアーセナルから、22〜23年に当時日本代表MF伊東純也も所属したフランス1部のSランスに期限付き移籍。そこで公式戦39試合22得点と大ブレークした。
米国、イングランド、両親のルーツであるナイジェリアも含め、3つの代表を選択することができたバログンは、各国代表から引く手あまたの存在になった。ニューヨーク・ポストによると、水面下で進められていたスカウト活動は、U―21イングランド代表に招集されたことで一気に本格化したという。
米国は前回22年カタール大会で決勝トーナメント1回戦までの4試合で合計3得点と得点力が不足。欠けている“ラストピース”だったセンターFWタイプを希求していた。23年3月、バログンはU―21イングランド代表を負傷を理由に辞退。その後、米国代表が合宿を行っていたフロリダ州オーランドに滞在していることが明らかになった。
現地ではNBAのコートサイド席やヤンキースの練習場などで“VIP待遇”を受け、プリシックやMFマッケニー(ユベントス)とも初対面を果たしたという。米国のサポーターの熱にも後押しされ、オーランド滞在から2カ月後の23年5月にイングランドから米国へと代表国を変更。3年後、W杯代表に選ばれた。
今季はMF南野拓実も所属するモナコでリーグ戦8試合連続ゴールを決めるなど、公式戦43試合に出場して19得点4アシスト。米国代表では5月31日の親善試合セネガル戦でもゴールを決め、好調を維持して乗り込んでいた。オウンゴールとバログンの2発で前半だけで3得点したチームは、最終盤の後半追加タイムにMFレイナ(ボルシアMG)が追加点を挙げ、4―1で白星発進した。
試合会場のロサンゼルス競技場(ソフィスタジアム)では開幕セレモニーが行われ、歌手ケイティー・ペリーらが出演。早朝からスタジアムに詰めかけたファンは、米国代表ユニホームのほか、自由の女神から建国の父まであらゆるコスプレ衣装を身につけ、熱狂的な声援を送った。前半7分に米国がオウンゴールで先制すると、満員の観客は総立ちとなった。
米国でのW杯開催は1994年以来32年ぶり。今回はメキシコ、カナダと史上初めて3カ国での共催となった。米国は2002年日韓大会でのベスト8が過去最高成績で、前回22年カタール大会は16強。1次リーグD組ではパラグアイ、オーストラリア、トルコと対戦する。
2020年にオープンしたロサンゼルス競技場はカリフォルニア州イングルウッドに位置し、NFLのラムズおよびチャージャーズの本拠地。通常は人工芝ながら今大会のために天然芝が敷き詰められた。2028年ロサンゼルス五輪では開会式の会場となる。
