【ホンダ“お家騒動”】日産との経営統合協議にも元社長(90)と元副社長(85)が介入していた 三部敏宏社長は「お前はホンダの独立経営を捨てる気か」と叱責され…
上場以来初となる最終赤字に転落したホンダ。これを受けて三部敏宏社長の今後が注目されている。実は、最終赤字の発表前に「三部社長降ろし」とも言える動きが起きていた。ホテルに呼び出された三部社長を待ち受けていたのは、大物OBコンビだった。上場企業の経営に“口出し”ができるほどの大物OBとは--。
【画像】経営統合の検討開始を発表するホンダの三部敏宏社長と、日産の内田誠社長(当時)。大物OBの介入に辟易した三部社長は、発表前から心が折れていた?
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「三部、お前辞めろ」
4月9日、東京・丸の内のパレスホテル東京。三部氏は2人のOBから副社長の貝原典也氏と共に呼び出された。待ち受けていたのは、元社長の川本信彦氏(90)と元副社長の雨宮高一氏(85)だった。

脱エンジン計画が失敗したホンダの三部敏宏社長 ©時事通信社
川本氏はホンダF1の草創期から携わってきた技術者で、1990年から1998年まで社長を務めた。川本社長時代に副社長(1997年〜2005年在任)となった雨宮氏は海外営業畑が長く、米国ホンダの社長・会長を兼任。営業部門のドンとして知られる。
「三部、お前辞めろ」
そう言って、雨宮氏は三部氏に辞任を迫ったという。
この面談に先立つ3月26日、筆者が川本氏と親しいホンダOBと会った際、「井上さんの記事で、三部社長が“切腹”できる環境を作ってやってくれ」と、しきりに言われた。要は、三部氏批判をメディアで展開して、辞任に追い込んでほしいということだ。
上場以来初の最終赤字は、OBらにしてみれば“お家の一大事”だろうが、現役社長の首に鈴をつけに来るなど、時代錯誤も甚だしい。
実は、このOB2人が三部氏の経営判断について口出しするのは、これが初めてではない。
2024年12月23日、ホンダは日産と持株会社による経営統合に向けて交渉に入ると発表した。その5日前の12月18日、日経新聞が経営統合交渉入りを朝刊でスクープすると、川本氏と雨宮氏が本社に乗り込んできた。
「2人は、『お前はホンダの独立経営を捨てる気か』と三部社長を𠮟責し、執拗に経営統合の検討をやめるように促したんです」(前出・B氏)
2人が「お前はホンダの独立経営を捨てる気か」と叱責
大物OBの介入に辟易した三部氏は、12月23日の発表をやめたいとさえ口にしたという。青山真二副社長(当時)の説得で、発表はしたものの、三部氏の心はすでに折れていたのかもしれない。
2025年1月17日、ホンダは日産に対して完全子会社化を提案した。日産は驚き、これを契機に統合交渉は破談の坂を転げ落ちた。「三部社長は他の役員に相談せずに子会社化を提案しました。提携推進派の役員はみな驚きました。日産にノーと言わせるためですから」(ホンダ関係者C氏)
※この続きでは、川本氏が文藝春秋の取材に今年4月と一昨年に三部社長と面談したことを認めたコメントのほか、「三部社長降ろし」の背景をホンダ役員が読み解いています。
約7300字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年7月号に掲載されています(井上久男「ホンダ三部社長降ろし全内幕」)。
■井上久男(いのうえ・ひさお) 1964年生まれ。九州大学卒。朝日新聞社経済部で自動車と電機などを担当。2004年に退社してフリーに。著書に『自動車会社が消える日』『日産vs.ゴーン』など
(井上 久男/文藝春秋 2026年7月号)
