なかなかたくましい1.2L HVの走り

フィアットは、グランデ・パンダに2種類のエンジン版を用意した。今回試乗したのは、1.2L 3気筒ガソリンターボに6速デュアルクラッチATと駆動用モーターを組み合わせた、ハイブリッド。非ハイブリッドの設定もあるが、英国へは導入されない見込み。

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ハイブリッド・システムは、フィアットがT-ジェン3と呼ぶもので、能力的にはマイルドと呼べる範囲。駆動用モーターは29psを発揮し、28km/h以下の低速域なら電気だけで最長1km走行できる。


フィアット・グランデ・パンダ・ハイブリッド・ラ・プリマ(欧州仕様)

発進させてみると、滑らさや力強い速度上昇ではバッテリーEV版のグランデ・パンダ・エレクトリックへ及ばないものの、排気量を考えればハイブリッド版もなかなかたくましい。0-100km/h加速は、10.0秒で処理するという。

最高出力110ps、最大トルク14.7kg-mで、電気モーターが低域でのトルクを補完。6速デュアルクラッチATとの協調性も高く、普段使いで力不足や洗練不足を感じることは殆どないと思う。濡れた路面で急加速を求めると、フロントタイヤが空転するが。

キビキビ程よくエネルギッシュ 乗り心地良好

ホイールベースが短めで、車重は1380kgと比較的軽く、身のこなしはキビキビと程よくエネルギッシュ。適度に重いステアリングホイールが、運転中の安心感を高めている。

とはいえ、ステアリングやボディの反応は予想しやすく軽快ながら、シャシーとの一体感を誘うものではないだろう。充分に運転を楽しめるものの、体験が深く記憶に残るタイプとは呼べない。


フィアット・グランデ・パンダ・ハイブリッド・ラ・プリマ(欧州仕様)

小さい割に、乗り心地はかなり良い。大きな凹凸の衝撃は吸収しきれないものの、舗装のツギハギなど細かなものは巧みに均してくれる。やや背が高めのボディでありつつ、ユサユサと揺さぶられるような素振りもない。

燃費は、カタログ値で19.6km/Lが主張される。イタリアの一般道を走らせた今回の試乗でも、その数字へ実際に迫っていた。

デザインで商談を進めても後悔ナシ?

グランデ・パンダ・ハイブリッドは、英国ではポップ、アイコン、ラ・プリマという3グレード展開。試乗したラ・プリマでは17インチ・アルミホイールの他、ヒーター内臓のフロントシートやバックカメラ、バンボックスと呼ばれるグローブボックスが備わる。

優れたパッケージングと、スタイリッシュな見た目が好ましい、グランデ・パンダ。走りや乗り心地、装備は充分に納得できる水準にあり、デザインに惹かれて商談を進めても、後から不満が出ることは少ないのではないだろうか。


フィアット・グランデ・パンダ・ハイブリッド・ラ・プリマ(欧州仕様)

ダイナミックな走りは、期待できないかもしれない。しかし、お手頃な価格と優れた燃費、小さくても実用性の高いボディなど、それ以上の強みは沢山備わる。このフィアットとの爽快なドライブには、古い楽曲のポップなリミックス版も良く似合いそうだ。

◯:レトロさとモダンさのバランスが良いデザイン 小さなサイズでも広々車内 比較的お手頃な価格 良好な燃費
△:動的特性は、スタイリッシュなデザインへの期待に届いていない ドライバーへの警告音が少々うるさい

フィアット・グランデ・パンダ・ハイブリッド・ラ・プリマ(欧州仕様)のスペック

英国価格:2万1035ポンド(約410万円)
全長:3999mm
全幅:1763mm
全高:1750mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:10.0秒
燃費:19.6km/L
CO2排出量:119g/km
車両重量:1380kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:110ps
最大トルク:14.7kg-m
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)


フィアット・グランデ・パンダ・ハイブリッド・ラ・プリマ(欧州仕様)