◆投手陣の故障者続出で台所事情は悪化する一方…

 特に現在のドジャースは投手陣に故障者が続出しており、台所事情は悪化する一方。18日のマーリンズ戦こそ、先発したランドン・ナックが5回を無失点に抑える快投を披露したが、先発ローテーションからは3人が戦線離脱中である。
 今季チームトップの11勝を挙げているギャビン・ストーンは右肩の炎症で、今月6日に負傷者(IL)リスト入り。今季9勝のタイラー・グラスノーも60日間のILリストに移行しており、どちらも今季中の復帰は絶望的といわれている。

 また、通算212勝を誇る左腕のクレイトン・カーショーも左足親指を負傷し、8月末にILリスト入り。今月に入って山本由伸が戦列復帰を果たしたのは明るい材料だが、ポストシーズンでフル回転できるかどうかは微妙なところだ。

 先発投手陣の頭数が足りないのは、火を見るよりも明らか。ロバーツ監督が投手・大谷の可能性を捨てきれない気持ちもわからなくもない。

◆投手起用について大谷は…

 ただ、当の大谷本人は、『デイリースポーツ』の取材に対して、ポストシーズンで投げる可能性について、「ほとんど話してないです」と、議論すらされていないことを強調している。

 果たしてポストシーズンで大谷がマウンドに登るウルトラCを我々は目撃することになるのか。今季もロバーツ監督のポストシーズンでの采配には大きな注目が集まりそうだ。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。