Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

これもまたひとつのイノベーション!

先週大盛りあがりだった年に一度のApple(アップル)の新製品発表会でも発表された、AirPods Proの新しい補聴器機能(ヒアリング補助機能)。

もう機能は完成、いつでもユーザーに提供可能、でも医療機器として承認が降りていないという、パズルのピースが欠けていた状態はいつまで続くのか…、と思いきや、アメリカでは割とすぐに承認されました。9月12日、AirPods Pro 2で補聴器機能を提供するソフトが、米連邦政府保健福祉省食品医薬品局(FDA)から承認されたとのことです。

補聴器機能は今秋のAirPods Pro 2へのアップデートで提供予定です。

編注:日本国内において、「補聴器」は管理医療機器として一定の基準をクリアする必要があります。AirPods Pro 2の聴覚サポート機能は、日本国内においては「ヒアリング補助機能」として提供される予定のようです。

既存の市販製品に補聴器ソリューションが実装されるのは初

FDAは、軽度〜中等度の聴力低下を訴える118人の被験者を対象に臨床試験を実施した結果、Appleの補聴器機能を承認したと発表。プレスリリースには「HAF(補聴器アシスト機能)のセルフフィッティングを利用した被験者は、専門家による同じデバイスのフィッティングを受けた被験者と同等の利点を感じた」そうです。さらに臨床試験を通じて、新しいAirPodsのソフトウェアを試したユーザーに対して、有害な影響は確認されなかったとのこと。

補聴器機能は軽度から中等度の聴覚障害を持つ人々をサポートしますが、深刻な聴覚障害の方は、あまり恩恵は受けられなさそうです。これはハードウェアの制約的にしょうがないですね。2022年、アメリカではバイデン大統領の行政命令とFDAの決定により、処方箋なしで市販の補聴器が購入できる道が開かれました。その目的は、聴覚に問題を抱える約3000万人の米国民が2,000ドルから最大で1万ドル(約28万〜140万円)もかかる処方箋が必要な医療機器を購入しないでも済むようにすることでした。

ヘルスケアアプリにいくつか聴覚機能が追加される予定

注目すべきは、イヤホンユーザー向けのアシストモードです。ユーザーはiPhoneでいくつかテストをして、自分の聴覚のプロファイルを作成する必要があります。AirPods 2では、音楽やスピーチやなどの音をリアルタイムでブーストできるようになります。また、医師が作成したオージオグラム(聴力検査結果)で、設定することも可能です。このテストで、軽度から中度の聴覚障害であると診断されたユーザーは、AirPods Proの補聴器機能を利用できるようになります。

Appleが、AirPods補聴器機能を実装する計画については、何年も前から噂がありました。この実装に向けて、他のアクセシビリティ機能を通じて準備していたはずで、たとえば「ライブリスニング」という機能では、iPhoneやiPadがマイクのように働き、音を増幅して音声を AirPods に送ってくれます。

この機能の追加は、前提として素晴らしいことですが、AirPodsを従来の専用の補聴器代わりとして使うにはいくつか問題もあります。通常のインイヤー補聴器は、長時間耳に装着し続けることを前提としていますが、AirPodsがイヤホンとして非常に快適なのは誰もが知るところではありますが、あくまでも一般消費者向けのイヤホンとして設計されているもの。補聴器代わりに長時間利用するには、バッテリーの持ちや快適性などが少し気になりますね。

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