ドジャースの山本(左)とカブスの今永(C)ロイター/USA TODAY Sports

写真拡大

 右肩腱板損傷から3カ月ぶりに復帰した山本由伸(26)が、4回で8奪三振と好投すれば、今永昇太(31)は7回を3失点に抑えて、13勝目(3敗)をマークした。

【もっと読む】カブス今永昇太が垣間見せた大谷翔平への対抗心とは???

 大谷翔平鈴木誠也(ともに30)も含めて4人の日本人選手が出場した昨11日のドジャース-カブス戦は、両チームのエース級の2人にとって収穫と同時に、課題も露呈した投げ合いではなかったか。

 山本は三回まで9つのアウトのうち8つは三振によるもの。ストレートとスライダー、フォークなどの変化球を低めに集め、打者を翻弄した。

「今年の中でもトップといっていいくらいの感覚で投げられた」とは試合後の本人だが、「これだけいいピッチングをしたことで、改めて課題が浮き彫りになったと思う」と現地特派員がこう続ける。

「直接の原因は右肩腱板損傷ですが、根底にあるのは昨年からの疲労でしょう。3月のWBCから11月の日本シリーズまでフル回転。オフも球団との交渉でロスとニューヨークを何度も行き来するなど多忙を極め、疲労残りのままキャンプに突入。通常より早く3月に韓国で行われた開幕シリーズに登板したことが引き金になったというのです。今回の好投は、右肩も含めて一から体をつくり直したことがプラスに作用した。逆に言えば、登板間隔や日程がタイトなメジャーでやっていくだけの体力面が不安なのです」

 身長は178センチ。メジャーの投手にしては小柄で、“エンジン”の小ささを疑問視するスカウトもいた。

 そこへいくと今永も同じく178センチ。「長所は球のキレだが、疲労が蓄積するとキレを失ってつかまりやすい。球数や登板間隔に配慮することは必要」とみていたのはア・リーグのスカウト。山本同様、体力面に不安があることに加え、2度目以降の対戦でつかまる傾向がある。

 これまで27試合に先発したうち、2度対戦があったのはドジャースマーリンズ、メッツ、パイレーツ、カージナルスの5球団。このうち2度目のメッツ戦は3回11安打10失点、カージナルス戦は7回途中10安打4失点と打ち込まれている。この日のドジャース戦にしても、3失点はいずれも本塁打によるものだった。

「今永のストレートはキレがあり、初見では攻略しにくい。打席では、映像で見る以上の伸びを感じるといいます。けれども、2度目以降の対戦では打者も慣れるのではないか」とは前出の特派員だ。

  ◇  ◇  ◇

「投げる哲学者」とも言われる今永は海を渡ってから大谷に対し、「対抗心」を垣間見せていた。いったいどういうことか。どんな「発言」をしていたのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。