(株)テックコーポレーション(TDB企業コード:600409069、資本金7000万円、広島県広島市中区三川町2-6 くれしん広島ビル9F、代表中本義範氏、従業員130名)は、3月6日に実質的な事業を停止し、事後処理を本田兆司弁護士(桂・本田法律事務所、広島市中区東白島町20-7 アビリオ東広島2階、電話082-227-5501)に一任した。近く広島地裁へ自己破産を申請する予定。

 当社は、1976年(昭和51年)9月に山口県熊毛郡田布施町で自動車部品の販売を目的に創業、84年(昭和59年)4月に法人改組された。87年10月に広島市内に本店を移転した後、2000年5月に自社開発した生ゴミ処理機(エコビューター)を韓国で生産・輸入販売を開始して以降、「環境」をテーマとした機械・装置を中心に商品開発を積極的に進めると同時に、東京都をはじめ大都市に営業拠点を設けて独自の販売代理店方式による手法で全国に販路を構築し、学校や病院、食品工場、飲食店、スーパーストアなど幅広い業界へ製品を供給してきた。2006年に市場投入した水道水を除菌に効果があるといわれる「酸性電解水」、洗浄力が高まるといわれる「アルカリ性電解水」に変換する衛生管理システムの販売を本格化して業容を拡大、2016年7月期の年売上高は100億円を突破、その後も積極的な商品開発と代理店網の開拓で2020年7月期の年売上高は約179億3100万円にまで伸長していた。

 しかし、業容拡大の一方で大口代理店との手形取引の割合が高いため資金需要は旺盛で、手形割引による調達に依存する窮屈な資金繰りを余儀なくされ、散発的に不良債権が発生していた。こうしたなか、不鮮明な取引状況を指摘する声が広がるなど対外信用が大きく落ち込んだほか、納入機器に関して想定外のトラブルなどもあって事業環境がさらに悪化し、ついに事業の継続が困難な状況に陥った。

 受任弁護士によると、負債は約150億円にのぼる見込みだが、変動する可能性がある。

 広島県内の倒産で100億円を超えるのは、2022年6月の(株)SH東雲堂(登記面=広島市西区、広島県内で最大手の書店「フタバ図書」の旧・運営会社、特別清算、負債約193億142万円)以来、2年9ヵ月ぶり。