川崎重工業(以下略、川崎重工)は9月7日、ヘリコプターの安全運航のため実施するCRM(Crew Resource Management)訓練をVRシミュレータで行う「CRM訓練サービス」の提供を開始したことを発表した。同社によればVRを活用したサービスでは国内初の試みになるという。

VRを活用したCRM訓練の様子(同社資料より)

サービスは、同社の得意技術であるVR空間共有技術を活用し、操縦装置と機体模擬プログラムと組み合わせ、より実機に近い操縦性と現場の臨場感を再現。操縦士と副操縦士、搭乗員が同じVR空間を共有し、現実での訓練が難しい悪天候時や夜間飛行での模擬シナリオに沿って訓練を行う。訓練後は視界録画映像と音声データを活用し、訓練の問題点などを洗い出す。

CRM訓練の想定イメージ(同社資料より)

CRM訓練は、安全な航空機運航のために地上員や搭乗員など、操縦者以外の人物も含めて行われる訓練で、全国の消防防災航空隊では2022年度から年1回の実施が義務付けられている。同社のシステムはその状況に対応するもので、VRを活用することで実機訓練よりも低コストで実施することが可能になるという。同社では、今後も機能やシステムのアップグレードを行い訓練サービスの質の充実を図っていく。