<Danaオープン 事前情報◇31日◇ハイランドメドーズGC(米オハイオ州)◇6598ヤード・パー71>
7月に行われた昨年大会で初日に「61」を叩き出して首位発進を決めるとそのまま3日目まで守り切り、最終日が中止となりながらも優勝を決めた畑岡奈紗。ディフェンディング大会の前日となった31日(水)はプロアマ戦に出場し、最終調整を施して連覇へと向かう。
再び戻ってきたコースは、改めて「アメリカにあまりない狭い印象でラフも粘り強くてグリーンも小さい。パーオンの数字で高い状態を維持しないと難しくなる」と感じているという。だが、昨年大会では3日間でトータル19アンダーと持ち前のショット力を武器にバーディを量産したが、今年はここまでショットの調子が上がってこない。「左右両方にミスが出る感じですね。ボールの位置だったり、左肩の開きだったり…」と飛距離アップしたスイングだが、またしても調整が求められる状態に陥った。
そんな畑岡の強い味方となりそうなのが新たなウェッジ。これまで5年ほどクリーブランドの『RTX2.0 PRECISION FORGED』を使ってきたが、先週は同社の『RTX4』を使い、今週は『RTX ZIPCORE』をテストした。
「下が思ったより緩かった。今回のも58度はPRECISION FORGEDと同じバンス10度(RTX4は6度)ですが、同じ10度でも形状が違うので弾き方も違いますし、まだどれを使うか決められていないが、このコースは30〜40(ヤード)まで持って行けるパー5が結構ある。湿ったフェアウェイから寄せられて、ラフからでもしっかり打てるクラブを選びたい」
新コーチとなった黒宮幹人氏とのやり取りも新クラブ導入につながっている。「全英の時に、今年はそこまでフェアウェイは硬くなかったのですがポットバンカーから出すのに今までのPRECISION FORGEDだと“クラブだけで難しいのでは”となって。長く使っているので替えるのは簡単ではないですが、道具も進化しているので慣れなのかなと思います。徐々に新しいモデルに移していけたら。試合会場に来てもらって教えてもらって分かることもある」。今年の春先に大幅チェンジするまであまりクラブを替えるタイプではなかったが、「替えることに違和感はない。いいと思ったらチャレンジしていきたい」といまは話している。
関係者に配布されるバッヂには昨年優勝時の写真が使われ、付近の道路にはいくつもの「2021 CHAMPION NASA HATAOKA」の文字がいたるところにあふれるなど、町全体の昨年覇者へのリスペクトは尽きない。「ディフェンディングということをすごく感じますね」とタイトル防衛へ気持ちを高め、畑岡奈紗が米国では自身初となる大会連覇に挑む。(文・秋田義和)
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