【クルマの新しい買い方?】サブスクリプションの真実 リースや残価型設定ローンとの比較も
広がるサブスクリプション 魅力は柔軟性
ガソリン代以外すべてを含んだ月額定額料金を支払うことで、新車やユーズドカーに乗ることのできるサブスクリプションサービスが英国でも広がっている。
こうしたサービスは、Wagonex社や、自動車メーカーも採用可能なサブスクリプションスキームを持つDrover社といった企業が提供している。
ライトとFlexiFleet社のマクドナルド、そしてエバンス(英国版AUTOCARスタッフ)Thrifty社やEurocar社といった英国ではよく知られたレンタルカー会社も同じようなサービスを提供しているが、音楽や携帯電話ならいざ知らず、サブスクリプションというのはクルマにとっても便利で安価な利用方法と言えるのだろうか?
個人で建物調査の仕事を請け負っているサリー州に住む33歳のサム・ライトは、いま3ドアモデルのミニ・クーパーSとBMW X2 xDrive 20d MスポーツXオートの2台を所有しているが、どちらもリースや残価設定型ローンではなく、サブスクリプション型のレンタルサービスで手に入れたものだ。
「リースも試してみました」と、彼は言う。「X5やQ7を何台かと、GLC 43 AMGにも乗りました。1万ポンド(139万円)のデポジットを支払って、毎月1800ポンド(25万1000円)と過走行料金として2500ポンド(34万9000円)を負担しています」
「さらに、メンテナンスコストや消耗品、道路税も支払う必要があり、個人で仕事をしているため、つねに状況の変化にもビクビクしていました。もっとフレキシブルな手段を探していたんです」
プロのスポーツ選手向け いつでも解約可能
そんなライトが見つけたのがFlexiFleetのサービスだった。このサービスはThrifty社が運営しており、誰もがメリットを享受することが出来るものの、もともとはシーズンごとに収入が変わることの多いプロのスポーツ選手向けに創り出されたものだ。
そのため、このサービスで必要とされるデポジットは1カ月のレンタル料金同額と非常に少額なだけでなく、最終的には払い戻されることになっており、契約期間も最初の1カ月だけが解約不能なだけで、2カ月目以降は違約金無しで車両を返却することができるようになっている。
ミニ・クーパーSただし、保険はサービス利用者側で手配する必要があることには注意が必要だ。
「このサービスは、インターン中などで将来どうなるか不安のある方や、現在はクルマを所有していないものの、クルマが必要となる職業への転職をお考えの方々の間で人気が高まっています」と、FexiFleetでマネージャーを務めるゲイリー・マクドナルドは言う。
このサービスの月額利用料には、3200kmまでの走行距離にメンテナンスコストと万一車両が故障した際の修理コスト、さらには自動車納税証明書代が含まれており、サービス利用者が利用継続を望んだ場合に備え、6カ月ごとに新車への車両更新が行われている。
夏にはオープン 冬はSUV
「お客様のなかには夏の間はコンバーチブルを、冬になると四輪駆動に乗り換える方もいらっしゃいます」とマクドナルドは話す。
「当社のサービスをご利用頂いているお客様は年間1万9000km以上走行されます。これよりも走行距離が少ないとリースの方が安価になるかも知れません」
コルベットC7「年間3万9000km以上走行するようなお客様であれば、間違いなく当社のサービスの方が安価です」
Thrifty社では自社で貸し出す車両を購入しており(彼らは英国でもっとも多くのBMWを購入している)、6カ月が経過した車両は売却する方針をとっている。だからこそ、Thrifty社が購入する車両のほとんどがハイスペックで人気のオプションを装備しているのだ。
彼らのサービスで選択することのできるもっとも安価なモデルは、VAT(付加価値税)を含め月額324ポンド(4万5000円)で利用可能なミニ・クーパー・クラシック・3ドアであり、逆にもっとも高価なモデルは月額2268ポンド(31万6000円)のBMW i8コンバーチブルとなる。
ライトはミニを月額380ポンド(5万3000円)、X2を536ポンド(7万5000円)で利用しているが、これは彼が2台のユーザーであり、5%のディスカウントサービスを受けているからだ。
ライトがFlexiFleetのサービスを知ったのは、X5のリース契約が終わるタイミングでプロのラグビー選手である友人を通じてだった。
彼女のために 犬のために
このサービスのコンセプトを気に入った彼は、ちょうどスペインから英国へと彼女を呼び寄せるタイミングだったこともあり、FlexiFleetで新車のBMW M4カブリオレを用意することにして、自らはゴルフGTIを契約することにしたのだ。
そのすぐ後、ふたりは子犬を手に入れたが、すべての子犬がそうであるようにすぐに大きくなったために、ライトはM4をX2へと入れ替えている。自信も6カ月が経過した時点でゴルフを売却すると、ミニ・クーパーSへと乗り換えているが、クリスマスの頃にはレンジローバー・スポーツへとさらに変更する予定だ。
BMW M4 カブリオレでは、FlexFleetのサービスはどこがリースと違うのだろう?
BMW 320iスポーツのオートマティックモデルをFlexiFleetでは、VATとメンテナンス、故障修理代、道路税を含め、月間走行距離3200kmまでの契約で月額550ポンド(7万7000円)だとしている。払戻可能なデポジットも同じく550ポンド(7万7000円)であり、2カ月目以降は違約金無しでいつでも好きな時に契約を解除することができる。
数多くのリース会社が存在しており、もっともお得な契約を探すこともできるが、今回はそんななかから無作為に選んだFirst Vehicle Leasing社に、同じ車両をメンテナンスを含めた24カ月契約で、年間走行距離2万4000kmのケースと、3万9000kmのケースで見積依頼してみた。
明らかなメリットが 保険には注意
年間走行距離2万4000kmのケースでは、最初に支払うべき金額が1915ポンド(26万7000円)、手数料198ポンド(2万8000円)、23カ月分の月額は638ポンド(8万9000円)というものだった。
年間走行距離4万km(依頼した走行距離3万9000kmにもっとも近い内容で彼らが見積可能だった距離だ)の場合、最初の支払額、手数料、そして23カ月分の月額は、それぞれ2180ポンド(30万4000円)、198ポンド(2万8000円)、727ポンド(10万1000円)だった。そして契約者は契約期間中の解約を行うことはできない。
BMW 320i少なくとも今回の比較ではFlexiFleetの方がはるかに安価だったが、彼らの見積もった月額費用は、契約期間以外であれば変わる可能性があるということには注意が必要だ。
さらに、サービス利用者が普段付き合いのある保険会社の多くは、FlexiFleetの車両には対応したがらないという事態にも直面することだろう。多くの主要な保険会社はレンタカーのみならず、「保険契約以外の車両を運転」した場合も彼らの保険対象外としているのだ。
それでも、現代のような不確実性の時代、はるかに自由なクルマ選びができるのならば、保険を引き受けてくれる会社を探すくらいなんでもないと考えるドライバーもいるに違いない。
番外編1:クルマのサブスクリプション 柔軟性がカギ
クルマのサブスクリプションとは、安価だが払戻無しのデポジット(参加費と呼ぶひとぶともいる)と、一定の月間走行距離とメンテナンスを含んだ月額利用料(サブスクリプションフィーだ)を支払ってクルマを利用するサービスであり、多くのサブスクリプションサービスでは保険まで含んでいる。
Drover社は新車と4年以内のユーズドモデルを対象にしたサブスクリプションサービスを行っている主要なサービスプロバイダーのひとつであり、3500名の顧客の80%が新車を選ぶという。
BMW 520d最初の契約時に利用者は参加料として179ポンド(2万5000円)を支払うと、毎月変動型か最長24カ月まで利用可能な3カ月ごとの契約かを選ぶことになる。
一般的に契約期間が長ければ長いほど、コストは下がる傾向にあるが、もし途中で契約をキャンセルしたい場合には、残りの契約金額の20%か、最低1カ月分の費用を支払う必要がある。月間走行距離の上限は1300kmだ。
「新たな仕事を始めたばかりで、将来どうなるかがまだ分からないお客様や、28歳から32歳でよりシンプルで新しいクルマの所有形態を求められている方々が当社の主要な顧客となっています」と、Droverでマーケティングを担当するマット・シーキンズは話す。
2018年登録のBMW 520d Mスポーツなどの車両を、3カ月契約の場合には月額862ポンド(12万円)で、9カ月であれば840ポンド(11万7000円)で利用することができる。2018年登録トヨタ・アイゴXプレイであれば同じ条件でそれぞれ326ポンド(4万5000円)、291ポンド(4万1000円)が月額利用料だ。
番外編2:リースと残価設定型ローンにもメリットあり
新車のみならず、最近ではユーズドモデルでもリースや残価設定型ローン契約を利用するのが一般的であり、さらにすべてのモデルに適用できるのだから、選択肢は無限大だ。
どんな予算にも合う価格が存在しており、なによりも支払う必要があるのは実際に走行するはずの距離に対してだけであり、FlexiFleetのように不必要な走行距離にまでお金を費やす必要はない。
自動車サブスクリプションメーカーやディーラーからのスペシャルオファーなどの形で値引きやケアプログラムなどに加入出来れば、著しくコストを削減することができる一方、残価設定型ローンを選べば、設定期間終了後の買取りや、さらなる支払い期間の延長も選択することが可能だ。
期間中の支払額も固定されており、しっかりとした予定を組むことも出来る。
さらには、リース会社やローン会社は数多く存在しており、つねに比較して最高の条件を見つけ出すこともできる。
