“劇場型”物言う株主、日本企業に狙い定める
指針が改訂
AVIはTBSが保有する東京エレクトロン株を現物配当するよう株主提案で求めている。保有株の現物配当などを求めた内容は世界的にも珍しいという。説明会を複数回行ったほか公開討論も検討し、前例のない提案でもTBSや機関投資家などを説き伏せる考えだ。「説明会には投資家ら約70人が参加しており、客観的かつ独立した立場の判断が増えてきた」(ジョーCEO)と自信を示す。
一見、パフォーマンスにも見える提案だが、3年ぶりに企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)が改訂されたため、機関投資家は耳を傾けざるを得ない。指針では今まで以上に持ち合い株の削減や取締役会に多様な人材の登用などを促している。経営者にとってこれまでは味方としてカウントできた投資家も、委任状争奪戦では“浮動票”と捉えたほうがよさそうだ。
段構えで否決を狙う
現在、その浮動票の獲得を目指すのが香港のファンド、オアシスマネジメントカンパニーだ。アルパインの株主として、同社が計画するアルプス電気との経営統合に再考を求めている。21日のアルパインの定時株主総会に向けて特別配当などの増配と社外取締役選任を含む株主提案を実施。まずは議論と注目を呼ぶのが狙いだ。最終的には経営統合の是非を決める12月の臨時株主総会を本戦と捉え、オアシスのセス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)は「臨時株主総会で3分の1以上の委任状の票を集め、否決させる」と二段構えで勝負する。
そのほか東芝は複数のアクティビストからの要望に応える形で、7000億円規模の自社株買いをすると決めた。
また富士フイルムホールディングス(HD)は米ゼロックスの買収をめぐって反対する投資家カール・アイカーン氏と意見が対立している。
(文=渡辺光太)
