アメリカ・アリゾナの過酷な大地で、白人渡来のはるか以前より独自の文化を築いてきた民族こそ、「平和の民」と呼ばれるホピ族である。

ホピ族のロードプラン。

 

彼らの伝承は語る。「これまでの世界は、3度の滅亡を繰り返してきた。最初の世界は人間の俗悪で混乱し、地底に逃れた敬虔な者以外は神の怒りの火で滅ぼされた。2番目の世界もやはり奸悪がはびこったため、地底に逃れた者以外は氷結して滅亡した。第3の世界もやはり堕落したため、葦の茎の中に逃れた者以外は大洪水で滅んだ。大洪水を逃れた者が蜘蛛に導かれてたどり着いたのが、現在のアメリカ大陸である」。

 

中米のマヤと同じく、世界が滅亡と創造を何度も繰り返しているという思想が興味深い。彼らはいずれ来る「4番目の滅亡」を念頭に置き、天地とともに清らかな暮らしを送る。辺鄙ともいえる地の少数民族の予言が俄然注目されることになったのは、第2次世界大戦終結時である。

 

「灰のつまったひょうたんが天から落ちるとき、海は沸騰し、大地は焼けただれ、長年不毛となる。まぶしい灰のひょうたんが世界を終わらせる」

 

ひょうたん形をした爆弾が天空で炸裂し、太陽よりもまぶしい光を放って街を焼き滅ぼす。大地は放射能で汚染される。1000年前から伝わりつつも意味不明とされた予言の文言そのままに破壊された広島と長崎。世界滅亡の危惧を抱いた長老たちは会議の末、民族の予言を世界に広める行動に出た。時に1948年のことである。

 

予言はさらに続く。「灰のひょうたんが落ちたならば、東の果てにある雲母(※)の家に行って何度も戸を叩け」と。長老らは北米東海岸、ニューヨークにガラス張りのビルを構える国連本部に何度も陳情したものの、はなから相手にされない。ようやく国連総会での演説にこぎつけたのは、1976年であった。

※雲母=鉱物の一種。透明なものはガラスと同様の用途に使われた

 

青い星の輝くとき、世界は滅亡する

ホピの聖地オライビ近くの岩に描かれた「ロードプラン」という有名な岩絵がある。現在の世相を現しているようなそれには、ホピの険しく狭い道は下に、世界の大部分が進むという広い道が上に描かれている。

 

下の道の最後は豊作だが、上の道は波線に示された混乱で終わっている。

 

予言によれば、第4の滅亡の先触れとして青い星が姿を現すという。

 

「あなた方は天の住まいを聞くことになるだろう。それは大音響とともに落ちてくるだろう。青い星のようなものが見えるとき、私たちの民の儀式は終わりを告げるのだ」

 

(ムーSPECIAL「世界の大予言FILE」より)

 

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