ドジャースとの契約合意が報じられた前田健太【写真:編集部】

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「絶対的な先発2番手」ではなく、ローテの厚みを増すことに方針転換した?

 米ヤフースポーツのマーク・タウンゼンド記者が、前田健太投手との契約合意が伝えられるなど先発投手の補強に成功したドジャースのローテーションについて特集記事を掲載した。

 2015年の終わりに、ドジャースはエースであるクレイトン・カーショーに続く先発投手の補強にようやく成功した。12月30日(日本時間31日)にアストロズからフリーエージェント(FA)となっていた左腕スコット・カズミアーと3年総額4800万ドル(約58億円)の契約を結ぶと、広島からポスティングシステム(入札制度)でのMLB移籍を目指していた前田とも、続けざまに契約合意に達したことが報じられた。

 今オフのドジャースは、カーショーと共に絶対的な存在であったザック・グリンキー(FA)との契約を目指したものの、失敗に終わった。さらに、2番手候補として期待していたジョニー・クエト(ロイヤルズFA)も獲得できず。マリナーズからFAとなっていた岩隈久志とは合意したと伝えられながら、身体検査の結果、契約には至らなかった。

 グリンキーはダイヤモンドバックス、クエトはジャイアンツと契約。同じナ・リーグ西地区のライバルとの獲得競争に敗れたドジャースは、「絶対的な2番手投手」を目指すのではなく、ローテーションの厚みを増すことに方針転換したと記事では分析している。

前田はカーショー、カズミアーに続く先発ローテ3番手か

 現状のドジャースの先発ローテーションは、カーショー、カズミアー、前田の順になるとしており、故障のリスクを抱えるブレット・アンダーソンや柳賢振、昨季途中加入のアレックス・ウッドが中核をなすよりも好ましいと指摘。前田は、経験豊富な2人の後を任される先発3番手として期待されているようだ。

 タウンゼンド記者によると、ドジャースには他にも昨季21試合に先発したマイク・ボルシンガーや、19歳のプロスペクト左腕フリオ・ウリアスなども控えており、チームとしてローテーションに幅をもたせた選択肢が生まれているという。

 カズミアーと前田の加入は、ドジャースにとってコンスタントに堅実なローテーションを組むチャンスをもたらし、それは間違いなく重要なことだと記事では指摘。また、ドジャースには他にもタレントが全体的に揃っており、「地区連覇の可能性にも十分な戦力」だと締めくくっている。

 先発ローテーションの補強が難航していただけに、前田の獲得はドジャースにとって大きい。期待通りの働きを出来れば、初年度から地区優勝やリーグ制覇へのキーマンの1人となりそうだ。