29日に行なわれるリーガ・エスパニョーラ第21節で、首位バルセロナが敵地でアリカンテ・エルクレスと対戦する。2位レアル・マドリーとの4ポイント差を保ちたいバルサだが、エルクレスは今季リーガでの唯一の黒星(第2節)を喫した相手で油断はならない。

 一方のエルクレスは、昇格1年目で12位と健闘しているものの、降格圏との差は5ポイント。今年に入って1勝3敗と負けが込んでいるだけに、首位相手とはいえ一歩も譲れないところだ。

 エルクレスにとっては、第2節でバルサ攻撃陣を封じ込めたフランス人センターバック、ノエ・パマロをケガで欠くのが痛い。しかしそのパマロは仏レキップ紙のインタビューに答え、「この前の試合と同じようにやるだけ。もういちど倒すのも可能さ!」とチームメイトを信頼している。

 「しかし何といってもバルセロナだ。とてもきつい試合になるよ」と予想するパマロ。「あのとき相手は疲れていた。スペイン代表がメキシコに遠征してアルゼンチンと対戦した直後だったからね」と冷静に振り返る。

 もちろん、エステバン・ヴィーゴ監督の「相手に中央でプレーさせない」という戦術が徹底できたことも大きな勝因。監督はかつてバルセロナのCチームを指揮したこともあり、そのプレースタイルを熟知している。

 「だからといって、監督が僕らによけいなプレッシャーをかけることはないよ。何しろ今度はバルセロナのほうがやって来るんだからね。僕らのバックにはサポーターがいる」と王者相手にまったく臆すところを見せない。なるほどエルクレスは今季6勝のうち5勝はホームであげている。

 今シーズンは出場停止の1試合を除き、これまでフル出場だったパマロ。バルセロナ戦は観客席から見守ることになるが、「昇格したばかりの僕らの目標は、何より1部残留。そのためにはリズムを維持しないといけない。だからバルセロナが相手でも負けられないんだよ!」とまるで自分もプレーするかのような気合いの入り方で、打倒バルサに向かうチームの一体感がうかがえる。