脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「知性のスケール仮説と、選択のスケール不変」を公開した。動画では、首相や大統領といった政治のリーダーに対する国民の過度な期待を指摘し、人間の「自由意志」や「選択」のメカニズムについて、AIの進化も交えながら独自の視点で解説している。

冒頭、茂木氏は政治家のリーダーに対する批判について言及。一般の人々は「国民のためにより良い選択ができるはずだ」と柔軟な対応を期待しがちだと述べる一方で、実際にリーダーの立場になった際の選択肢は「一般国民とさほど変わらないかもしれない」と指摘した。その背景として、自由意志における「スケール不変仮説」を提唱。権力を持てばコントロールできる変数は増えるものの、意思決定の頻度や多様性が劇的に増大するわけではないと語った。

さらに、AIの分野で言われる「スケール仮説」と比較し、自由意志の場合は異なると主張する。医療におけるエビデンスベーストメディスン(EBM)を例に挙げ、「ジェネリックには、0か1か、どっちにしますかというような形で我々は選択肢を構想することが多い」と述べ、複雑な変数が絡む状況でも、最終的な選択の形式は単純化されがちだと説明。「首相だろうが大統領だろうが、何か選択を迫られる時のありようっていうのは私たちと変わらない」と断じ、リーダーへの過度な期待は「無意味だというか、おそらくそれって幻想を抱いてる」と警鐘を鳴らした。

終盤では、今後のAIにおけるエージェント技術の実装についても言及。選択自体は無意識の直感で行われ、後から理由を説明する人間の「チョイスブラインドネス」のメカニズムに触れ、AIにも同様の二重構造を実装する必要があるかもしれないと提言して締めくくった。

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