好奇心旺盛な文学読者や目利きのSFファンから注目されている鬼才、大滝瓶太の短篇集。収録されている九篇は、それぞれが独立したストーリーだが、作品間をまたぐ仕掛けがあり、一冊を通してメタ世界を表現していると見ることもできる。順番に紹介していこう。「未来までまだ遠い」は、幼なじみのアキマサとアキナ(年齢はおそらく十代前半)の物語。テレビでは、ハーフパンツを穿いたおじさん(物理学者)が「未来とは物質なの