AV並み18禁無修正で劇場公開!映倫と配給会社が戦った問題作『ホーボー・ウィズ・ショットガン』
ハードコアなB級映画にオマージュを捧げた映画『グラインドハウス』の流れから誕生した映画『ホーボー・ウィズ・ショットガン』は、フェイク予告編コンテストで栄えあるグランプリを獲得したことから生まれた長編映画だが、日本ではあることからバイオレンス映画としての勲章である「18禁」との判断がなされた。
日本で最も高いレイティングである「R18+」。俗に言う18禁であり、美人のお姉様方が全裸になって淫らな行為に没頭するアダルトビデオと同じフィールドに立ったことになる。
荒廃とした街を正すべく、ホーボー(流れ者、ホームレス)がショットガンを片手に街を浄化するというストーリーが展開する本作。ショットガンで悪を撃ち殺すという内容ならば過去にも同類映画はあるが、ここまでの厳しい規制はされていない。本作ではホームレスがショットガンをぶっ放つというアナーキーな表現と、街を牛耳るボスたちが住人やホーボーに行う拷問や残酷極まりない処刑シーンの数々が問題視されたに違いない。映画倫理委員会は本作を「修正不能」「ここ10年で最も酷い映画」と評価。結果として「R18+」という日本で最も重い判決を下したのだ。ちなみに「ソウ」シリーズ、「ムカデ人間」、「ピラニア3D」「テキサス・チェーンソー」などでも「R15」。本作がどれほどまでに凄いか分かって頂けるだろう。この判断は配給会社としては痛い。なぜならば観客数が極端に絞られるし、広く公開できない恐れもある。解決策は簡単。問題の描写を極力減らすように日本独自の編集を加えればいいだけのこと。だが日本の配給会社はそれを良しとはしなかった。なぜならば編集することにより、監督の意図した作品世界は薄れ、下手すれば別物になってしまうこともあるからだ。作家を無視して権力に従い、観客に別物を見せるのが果たして良いことなのだろうか……。配給会社は、すべての権力にショットガン一丁で立ち向かったがホーボーのごとく英断を下す。「18禁でもいい!無修正のオリジナル版で上映する」と。ホーボーの精神は、カナダから遠く離れたここ日本でも受け継がれた。映画クライマックスで感じるカタルシスは、作品に勝手にハサミを入れずに、オリジナルそのままでの上映に踏み切ったジャパニーズ・リアル・ホーボーたちの汗と涙がなければ得ることのできなかった貴重な体験であることは間違いないだろう。
映画『ホーボー・ウィズ・ショットガン』は11月26日からシアターN渋谷、新宿武蔵野館ほかにて全国公開【関連リンク】映画『ホーボー・ウィズ・ショットガン』公式サイト
http://hobo-movie.com/