冷蔵庫の防災――災害で停電!どう乗り切るか
【ポリCOOKの「袋ひとつで、もっとおいしく」Vol.4】東京・練馬区を拠点に、ポリ袋を使った調理法「ポリCOOK®」を広める料理講座を主宰するポリCOOKさん。日本災害食学会での入賞経験を持ち、自治体や企業での講座実績も多数。洗い物なし、アレルギー対応も簡単、栄養も逃げない--いいことづくめのポリ袋調理の実践法だけでなく、防災の知識まで毎回わかりやすくお届けします。
近年、「これまでにない暑さ」と言われる夏が続き、2026年には“酷暑”という表現まで定義されました。そんな中で気になるのが、地震や豪雨、台風などの災害による停電リスクです。
筆者の停電体験。復旧までの間で庫内が14度に
私自身も豪雨・落雷による停電を経験しました。数年前の8月27日の夕方、突然家じゅうの明かりが消え、エアコンも冷蔵庫も停止。約2時間で復旧したものの、その間に気になっていたのは冷蔵庫の中身でした。

停電時、冷蔵庫はすぐに冷えなくなるわけではありません。ドアの開閉を控えたものの、停電から2時間後の庫内温度は、約14度まで上がっていました。

翌日には通常時の約8度に戻りましたが、短時間でも温度変化は大きいことが分かりました。

冷凍庫の氷は、表面が少し“テカッ”としていて、溶けだす寸前ですが、溶けていませんでした。2時間程度であれば、持ちこたえられましたが、長時間の停電では注意が必要です。

冷蔵庫を食べ尽くす防災実験でわかったこと
翌日から停電を想定し、冷蔵庫と冷凍庫にある食品をどの順番で消費するべきかを実際に試してみました。
実験を通じて感じたのは、「食べる順番」をあらかじめ考えておくことの大切さです。冷凍庫は食品を冷やすだけでなく、「保冷庫」の役割も果たしてくれます。開け閉めをせず、できるだけ冷気を逃がさなければ、冷蔵庫よりも食品が持ちます。
基本は「冷蔵→冷凍」。傷みやすい冷蔵食品をまず優先し、その後に冷凍食品。家に備蓄してある常温保存のレトルトや缶詰や乾麺なども活用すると無理なく食事ができました。
実験では、生野菜は早く食べ終わりました。バターやヨーグルト、チーズなどの乳製品は一度に消費しにくいことも分かりました。乳製品は買いすぎないことが停電への備えにつながります。もし、被災状況が長引く大規模災害では、野菜不足を補うために、野菜ジュースや乾物野菜などの備えが必要です。(参考:コラム第3回でトマトジュースを活用したレシピをご紹介)

停電が長引きそうな時の3つの工夫
停電が2〜3時間以上続きそうな場合は、扉は出来るだけ開けないようにしながら次のような工夫がおすすめです。
・冷蔵庫を保冷
凍らせた保冷剤やペットボトル、先に食べる予定の冷凍食品などを冷蔵庫上段に置いて保冷しましょう。冷気は下へ流れるため、上段に置くと効率よく冷やすことができます。
・氷の処置
冷凍庫の氷が溶ける前に、ポリ袋に入れて冷蔵庫側の保冷に使うのもおすすめです。災害時は飲み水にもなり一石二鳥。
・生ものの処置
肉や魚などの生ものは、早めに加熱調理しておくと傷みにくくなり、食材を無駄なく使い切りやすくなります。

生ものの処置におすすめ簡単レシピ
基本のシャケ

洗い物なしポリCOOK『さばの味噌煮』

防災というと、特別な備蓄えを思い浮かべがちですが、本当に大切なのは、毎日の暮らしの中で無理なく継続することです。冷凍庫の空いている場所に、ペットボトルや保冷剤を入れておくのも良いです。

・冷凍庫には適度に食品を入れて、保冷力UP
・冷蔵庫は詰め込みすぎないで、冷気を循環
・中身を整理し管理
など、小さな工夫が、停電時の安心につながります。猛暑と停電リスクが高まる季節だからこそ、まずは冷蔵庫を見直すことから、防災を始めてみませんか?
ポリCOOK/ポリ袋を使った湯煎調理法「ポリCOOK®」を広める料理講座を東京・練馬区で主宰。日本災害食学会2023年学術大会入賞。農林水産省『いまどき!家庭備蓄』にも掲載。クックパッドでレシピを多数公開中。
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