バス車内に置き去りの小型サルを保護、規制強化の影響か ロンドン

(CNN)英ロンドン市内を走る路線バスの車内で先週、洗濯物の収納袋に入った小型のサル「マーモセット」が保護された。
飼い主に捨てられたとみられる。ロンドンなどイングランド全域で最近、霊長類の飼育に関する法律が改正された影響との見方が強い。
サルは17日午前、ロンドン北西部のミル・ヒル・ブロードウェイからケンサル・ライズに向かう路線の終点近くで発見された。
英NPO、王立動物虐待防止協会(RSPCA)によると、子どもをベビーカーに乗せた母親が下車しようとしたところ、洗濯物収納袋が通路をふさいでいた。
RSPCAでロンドンの査察官チームを統括するクレア・デュー氏が、この件を調べている。デュー氏はCNNに送られた報道発表の中で「運転手が手助けしようと袋をどかすと、中のサルが鳴き声を上げてはね回り始めた。袋の中をのぞくと、おびえたマーモセットが見えた」と説明した。
サルはロンドンの交通カードにちなんだ「オイスター」という愛称で呼ばれている。近郊のウィルズデンにあるバスターミナルまで運ばれ、そこの職員がRSPCAに連絡した。
デュー氏によると、オイスターはめすのコモンマーモセットで、小さな白い金属製の鳥かごと、チェック柄のプラスチック袋に入っていた。袋には持ち手がついていて、中は見えないようになっていた。「りんごをいくらか与えられていたが、当然ながら強いストレスを受け、脱水状態に陥っていた」という。
「オイスターが見つかるまで、車内で何らかの異変に気づいた人はいなかった。われわれは防犯カメラや乗車、下車時の読み取り記録を調べ、置き去りにした人物を追っている。明らかに意図的な行為だった」と、同氏は語る。
オイスターは専門の獣医師に健康と診断された後、霊長類専門の設備がある保護施設に移された。同施設ではたまたま、世話をしているおすのパートナーになるめすのマーモセットを募集中で、RSPCAもそれに協力していた。
デュー氏によれば、オイスターは先週末のうちにすっかりなじんだ。食欲もあり、まもなくパートナーと対面する見通し。「飼い主が見つからなければそのまま滞在することになる。ここには経験豊かな飼育員と素晴らしい飼育エリア、そして仲間がそろっている」と、同氏は強調した。
デュー氏らのチームは、オイスターのようなケースが今後相次ぐと予想している。イングランドで全霊長類の飼育を免許制とする新法が、4月に施行されたからだ。法案が可決された後の政府のコメントによると、「動物園レベル」の環境での飼育を義務づけるという趣旨だが、実質的には霊長類をペットとして飼うことが禁止されたことになる。
同氏は、霊長類が捨てられる例はこれが最後ではないだろうとの見方を示し、飼い主が困っている場合は獣医師やRSPCAのような団体に相談してほしいと呼びかけた。
RSPCAで犬や猫、家畜以外の動物を担当する専門家のイービー・バトゥン氏によると、霊長類は高い知能と社会性を持ち、「十分なスペースと知的刺激、ふさわしい仲間」が必要だという。
バトゥン氏はさらに「突き詰めて言えば、霊長類をペットとして飼うべきでないというのが私たちの考えだ。サルが家庭のペットになるのでなく、ニーズに合った環境で保護される将来が望ましい」と語った。
