更年期にさしかかり、健康診断の結果が心配になる方も多いと思います。ここでは約9人に1人がかかるといわれる「乳がん」と「石灰化」の関係を、産婦人科医の高尾美穂先生が解説。石灰化が見つかったESSE読者の悩みに答えながら、「婦人科のかかりつけ医を見つけるコツ」も教えてくれました。

※ この記事は『高尾美穂のオトナ世代のこころとからだ相談室』(扶桑社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。

Q:乳がん検診で石灰化を発見。良性でも不安…

「乳がん検診で石灰化が見つかりました。右カテゴリー1、左カテゴリー2で、ともに『再検査なし』で良性でしたが、経過観察でいいのか不安です。日々気をつけることはありますか」(49歳)

A:セルフチェックと、2年に1回のマンモグラフィをお忘れなく

40〜50代に多い「乳がん」。レディースクリニックには、マンモグラフィや超音波(エコー)検査を受けられるところもありますが、専門は婦人科ではなく乳腺外科です。乳がんは私の専門外ですが、女性にとって大切なことなので一般論としてお話をしますね。

相談者さんが検診で見つかった「石灰化」とは、乳腺内にカルシウムが沈着した状態のこと。石灰化は乳がんでも確認されるため不安になりますが、多くは良性です。診断結果はカテゴリー1〜5に分類され、1は「異常なし」、2は「良性」で、3以降が再検査、もしくは精密検査を要すると判断されます。もし、医師から「再検査なし」と言われているのであれば、そこまで心配する必要はないでしょう。

●乳がんのセルフチェックと検診が大切。受診は乳腺外科へ

乳がんのリスクが高い人は、初潮が早い(11歳以下)/閉経が遅い/出産や授乳経験がない/初産年齢が高い(高齢出産)/母親や姉妹など近親者に乳がんにかかった人がいる/飲酒習慣がある/喫煙者/閉経後肥満/低用量ピル、ホルモン補充療法などの経験がある…などです。乳がんは体の表面に近いところにできるため、セルフチェックで発見されることも少なくありません。胸がはりやすい生理前を避け、月に1回は入浴時などのタイミングで乳房に異常がないか確認を。

もちろん、セルフチェックだけでなく、病院での検査も忘れずに。日本では、40歳以降は2年に1回のマンモグラフィが推奨されています。もし、検査で異常を指摘されたり、乳がんの発症リスクが高く、気になる方は乳腺外科で超音波検査をたすのもおすすめです。

乳がんは、いまや約9人に1人が経験する時代。罹患率も30代後半から増加します。いちばんの対策は早期発見です。セルフチェックと検診を欠かさないようにしてください。

女性特有のがんなので婦人科と間違える人も多いですが、受診は乳腺外科。40歳を過ぎたら2年に1回の検診が推奨されています。

婦人科のかかりつけ医を見つけるコツ

婦人科のかかりつけ医をもっていない人も多いのではないでしょうか。これから先は、健康への不安が少しずつ増える年代。今のうちに信頼できるかかりつけ医を見つけておきましょう。

探す際は、まず自分のなかで優先順位を整理することが大切です。たとえば、家や職場から近い、女性医師がいい、予約制で待ち時間が少ない、日曜の診察もある…など、自分がなにを重視するかを明確にして探してみましょう。知人の口コミも参考になりますよ。

ただ、いくら評判のよいクリニックでも相性があります。期待値を上げすぎると、かえってがっかりすることもあるので、理想を高くもちすぎず、自分がなにを望んでいるかを医師や看護師にフラットに伝えるようにしましょう。

●ミスマッチの防ぎ方

ミスマッチを防ぐには、医師の経歴も安心材料になります。もし、生理のことや更年期について相談したい場合は、「日本産科婦人科学会の産婦人科専門医」で「日本女性医学学会の女性ヘルスケア専門医」が在籍するクリニックがおすすめです。これらの資格をもっている医師は生理や更年期に関する知識が豊富です。ホームページなどに経歴が記載されているはずなので、事前に確認してみてください。

なお、健診で再検査や経過観察をすすめられると落ち込む方もいますが、逆に言えばかかりつけ医を見つけ、定期的な受診をするきっかけになります。病気の早期発見にもつながりますので、むしろ「ラッキー」と前向きに捉えてみましょう。