仲良しのサインと思ったらそうでもない!?時にヒゲを噛み切ることも。猫が仲間を毛づくろいする複雑な心理

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自分を毛づくろいするのは「セルフ・グルーミング」、ほかの個体を毛づくろいするのは「アロ・グルーミング」という。

ほかの猫をペロペロとなめてあげている姿はほっこりするが、これは純粋に仲良しの証なのか?

動物の生態に詳しい富田園子さんに、アロ・グルーミングに隠された猫の心理について教えてもらった。

仲良しだが“上下関係”も

アロ・グルーミングの間柄は、仲が良いことは確かですが、その一方で上下関係も隠されています。

毛づくろいする側が上位で、される側が下位のケースが多いです。マウンティングの一種ともいえるかもしれません。

「オレが上でオマエが下だからな」という確認の意味もあるのです。これは、猫の親子関係を考えるとわかりやすいかもしれません。

親猫は子猫をしょっちゅう毛づくろいします。親子同士は仲が良いのは当然ですが、親猫が上位なのは確かです。

アロ・グルーミングのとき、相手をしっかりと前足で抱えながらなめてあげるのもマウンティングといえます。相手が「いま結構です…」という態度でも無理やり捕まえて強引に毛づくろいするシーンもしばしば見られます。

アロ・グルーミングのときになめてあげるのは、相手の首から上が基本です。

自分では首から上をなめることができないので、別の猫になめてもらうと気持ちが良いのです。

首から上の毛づくろいはアウトソーシングしているともいえるでしょう。

人間がなでるときも首から上を!

人間が猫をなでるときも首から上が最も好まれます。

多頭飼いなどで、たまにヒゲが短くなっている猫を見かけますが実はこれもマウンティングの証拠。

アロ・グルーミングの際、上位の猫が下位の猫の口まわりのヒゲを噛み切ってしまうのです。

これは本来、親猫が子猫にする行動で、大切なセンサーであるヒゲを噛み切ることで子猫を巣から外に出て行かせないようにする行動だそう。

「オマエはオレのもとにいればいいんだからな。いつまでも半人前でいいんだから」みたいな感じでしょうか。

突然噛みつくケースも

ある調査では、ほかの猫に毛づくろいをしていたと思ったら突然噛みついたケースが全体の約35%で見られたそうです。

マウンティングの欲求がアロ・グルーミングでは事足りなかったのか、毛づくろいしているうちになんだか興奮してきちゃったのか。ヒゲを噛み切られたうえに攻撃までされたらトホホですね。

富田 園子(とみた そのこ)
編集&ライター。日本動物科学研究所所属。東京在住。