「MLBナンバー1左腕」の去就をめぐって“大谷翔平の健康状態”が注目される理由…もし獲得すれば「ドジャースは恐ろしい布陣になる」
スクバルは出る?
メジャーリーグの今季のトレード期限は、米東部時間・8月3日午後6時までだ。
【写真を見る】スクバルだけじゃない、注目選手がズラリ! ボラス氏が代理人を務めるメジャーリーガー
優勝争いを続けるチームは下位チームの主力を狙い、下位チームは数年後を見越して有望な若手選手を数人獲得する。そんなシーズン途中のトレード劇はメジャーの“夏の風物詩”であり、その期限が迫る7月下旬には、駆け込みで一気に数件のトレードがまとまっていく。
「今夏の注目は、MLBナンバー1左腕の呼び声も高いデトロイト・タイガースのタリク・スクバル(29)ですが、彼の放出は“なくなった”と見る向きと、“なくなってはない”との声の両方があります。仮にスクバルを出すとなれば、それ相応の交換要員が必要となります。トッププロスペクト数人でまとまるのか、それともレギュラーに近い中堅選手をさらにつけるのか……大掛かりなトレードになるでしょう」(米国人ライター)
そもそもシーズン序盤は、「時間の問題」とも言われていたスクバルの放出論。トーンダウンした理由は、彼自身とタイガースのチーム事情にあった。スクバルは左肘関節内遊離体除去手術のため、5月4日に15日間の負傷者リスト(IL)入りをしている。当時は「復帰まで2〜3ヶ月掛かるかもしれない」といった見方もあり、米の老舗専門誌「Sports Illustrated」は、
「シーズン後半に臨むにあたって、ヒジの手術から回復途中の投手を獲得するために、複数の大切な有望株を放出することに対しては、どのチームも慎重になるはずだ」

と、今シーズン中のトレード移籍論を否定した。
しかし、スクバルは6月13日のガーディアンズ戦で復帰登板を果たした。5回途中3失点で負けがついたが、以後、先発投手の責任イニングを投げ切るタフネスぶりも見せている。
「タイガースにとっても、スクバル不在の5月と復帰後の6月以降はまるでジェットコースターのようでした。一時は借金16まで膨らみ、最下位にも転落したものの、チームも徐々に立ち直ってきて、44勝52敗(7月13日時点)。今ではポストシーズンマッチ進出を賭けたワイルドカード争いにも加われるのではないかという声もあがってきました」(現地記者)
このワイルドカード争いに復帰しつつあるチーム事情が、スクバルの去就問題にも影響してきた。「この調子で行けば何とかなる。大エースを放出すべきではない」とする声も出始めたのだ。
「今季のタイガースはア・リーグ中地区の優勝候補でした。でも、序盤戦からケガ人が続出し、5月30日の時点で15人がIL入りする事態にまで陥りました。メジャーリーグの試合に出場登録ができる40人中15人を欠いていたわけです。ケガ人が戻って来て、ようやく試合が出来る状況になりました」(前出・同)
移籍先はどこに?
シーズン後半の残り60試合余をどう捉えるべきか。24、25年と2年連続サイ・ヤング賞に選ばれたスクバルが健在なら、本当にワイルドカード争いに復帰できるかもしれない。IL入りしていた主力選手たちも戻ってきて、チームの士気も高まっている。これがスクバルの放出論が一時期のような勢いを失なった理由だが、同時にこんな見方もされているそうだ。
「スクバルは今オフ終了後に、フリーエージェント(FA)権を獲得します。昨年オフは球団が提示した年俸額がおかしいと、年俸調停にまで発展しました。今季年俸はスクバル側の言い分が認められ、3200万ドル(約48億円)を勝ち取りましたが、彼の代理人は敏腕で知られるスコット・ボラス氏(73)です。4億ドル(約600億円)規模の複数年契約を目指しており、その支払いができないタイガースに残る気など毛頭ありません。FAで出ていかれたら、何も残らない。だったらトレードに出して、交換要員を得るべきだという声も上がってくるのです」(前出・米国人ライター)
スクバルを交換トレードで得た球団は、今季年俸3200万ドルの、残り3か月分を引き継ぐことになる。来季に関し、ボラス氏とその後も残留交渉を行うつもりが「ない」としても、今季の地区優勝を争っていくうえでは大きな戦力になる。
もう一つ。スクバルの去就問題が伝えられるとき、必ずと言っていいほど同時に報じられるのが、ロサンゼルス・ドジャースの出方だ。
MLB公式サイトによれば、シーズン途中のトレードで投手力の補強を目指しているとされる球団はフィリーズ、ブルワーズ、パドレス、そして、ドジャースとあった。同サイトは、10月のポストシーズンマッチに向けてベストメンバーを組もうとするドジャースのチーム方針も取り上げて、
「スクバル、山本由伸(27)、大谷翔平(32)、ブレイク・スネル(33)、タイラー・グラスノー(32)。佐々木朗希(24)もいる。恐ろしい布陣になる」
とも伝えていた。
「ドジャースはスクバルではなく、ほかの投手に乗り換えたとの情報も交錯しています。ただ、ドジャースがトレードを仕掛けてくるのであれば40人枠を空ける必要もあり、ジャスティン・ロブレスキー(26)か、エメット・シーハン(26)といった頭角を現した若手の好投手も交換要員にしなければなりません」(前出・現地記者)
カギを握るのはやはり大谷
スクバルがトレード市場に出てくるのかどうかで意見が分かれているのと同様に、「大谷の健康状態でドジャースの狙うトレードプランも変わって来る」との見方もされている。
大谷は左膝の治療のため、オールスターゲームを辞退した。この左膝の炎症以外にも、右手中指のマメ、右上腕二頭筋の違和感なども報告されている。
「大谷は5月14日から7回連続で木曜日に先発していました。投打の二刀流出場を続けていく以上、他の先発の登板間隔がタイトになっても、大谷の登板スケジュールは崩さないでしょう」(前出・同)
オールスターゲームの前後はメジャーリーグの先発投手が疲れを感じる時期でもあり、各チームの首脳陣は球宴休みやローテーションの再編、ブルペンデーなどを挟んで先発投手をリフレッシュさせる。しかし、ドジャースは大谷の先発日を最優先にするため、十分なケアができない可能性もある。また、デーブ・ロバーツ監督(54)はオールスターの始まる前、大谷の左膝の状況を聞かれ、後半戦最初のヤンキース戦から野手出場することは明言したが、登板日については「まだ決めていない」とはぐらかした。状況が芳しくないのかもしれない。そうなると、やはりエース級の投手を獲得するトレードは必須となる。
スクバルがトレード市場に出るのかどうか、それをもっとも注視しているチームが、大谷のいるドジャースであることは間違いないようだ。
デイリー新潮編集部
