首位争い「橋上監督代行」の下で出場機会を失う「阿部チルドレン」3名…トレード候補に名が挙がる驚きの「元主力野手」とは
阿部慎之助前監督が電撃退任し、橋上秀樹監督代行が就任してひと月あまり。巨人は目下、阪神、ヤクルトと首位争いを繰り広げるなど健闘している。橋上代行の就任後、戸郷翔征が復活し、松本剛も打率が急上昇している一方で、前政権下で評価され、「阿部チルドレン」と呼ばれた選手たちの中には、出場機会を失っている者も。今後の戦力整備に向け、トレード要員として放出する可能性があり、動向が注目される。
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V奪回への道も
巨人は交流戦で10勝6敗2分とセリーグの球団で唯一勝ち越すと、リーグ戦再開後は6日現在、5勝5敗と勝率5割をキープ。巨人OBは橋上代行を高く評価する。

「阪神と比べて戦力が見劣りする中、よくやっていると思いますよ。ポイントゲッターとして期待されるダルベック、キャベッジ両外国人の調子が下降線に入り大量得点が望めない中、守り勝つ野球で白星を重ねている。6月末にはセットアッパーの大勢が3試合連続失点を喫しましたが、首脳陣が声を掛けてケアしていると聞きました。阿部前監督の時よりチーム全体の雰囲気が明るいし、コーチが自分の意見を言いやすい環境になっている。阪神は救援陣が不安定ですから、このまま首位争いを続けていればV奪回への道が拓けるでしょう」
冴える選手起用
選手起用も冴えを見せている。今月1日のヤクルト戦(盛岡)は1点リードの8回に、大勢ではなく田中瑛斗をマウンドに送り込んだ。田中瑛がこの采配に応える。勝負どころのマウンドで2死一、二塁のピンチを招いたが、武岡龍世を捕邪飛に仕留めると雄叫びをあげた。現役ドラフトで24年オフに日本ハムから移籍し、阿部前監督にシュートを評価されたことで野球人生が大きく変わった田中瑛。昨年は自己最多の62試合登板で36ホールドと大ブレイク。相手のマークが厳しくなる今年はスイーパーに磨きをかけたことで、シュート共に大きな武器になっている。今季はここまで32試合登板で1勝1敗1セーブ22ホールド、防御率0.67。ブルペン陣に不可欠な存在となっている。
早々にファーム降格
一方、前監督の期待が大きかった選手の中には存在感が薄くなっている者も。そのひとりがリチャードである。岡本和真のメジャー移籍を見越して大砲候補を欲した阿部氏の希望もあり、昨シーズン途中に秋広優人、大江竜聖との交換トレードでソフトバンクから移籍すると、77試合出場で打率.211、11本塁打、39打点といずれも自己最高の成績をマーク。打線の中軸として期待された今年だったが、3月のソフトバンクとのオープン戦で死球を受けて左手小指骨折で戦線離脱。ファームで実戦復帰した5月も右足太ももの肉離れで再び戦列を離れた。コンディションを取り戻し、交流戦中に1軍復帰し、6月13日の西武戦(ベルーナ)で今季初打席となった2回に弾丸ライナーで左翼に叩き込む1号ソロを放ったが、3試合の出場機会で安打がこのアーチのみに終わると、10日も経たずに早々とファームに逆戻りした。
「阿部前監督だったら、リチャードには我慢強くチャンスを与えていたかもしれませんが、橋上監督代行は凡打の内容を重視する。8打席で5三振という結果に、作戦が立てにくい選手と映ってしまったのでしょう。長打は大きな魅力ですが、確実性を欠くリチャードは、評価が分かれる選手です。巨人は現在、一塁、三塁のレギュラーが固定できていませんが、それでもチャンスが少ないことが、彼のチーム内での立ち位置を表している」(スポーツ紙記者)
「不良債権」になる恐れが
阿部監督が正捕手として大きな期待を寄せていた甲斐拓也も厳しい状況に追い込まれている。常勝軍団を築いたソフトバンクの正捕手を務めた甲斐が24年オフに巨人にFA移籍した際には、大きな反響を呼んだ。
「ジャイアンツは24年、大城卓三、岸田行倫、小林誠司の捕手3人体制がうまく稼働してリーグ優勝を飾りました。しかし、阿部監督の希望もあり、5年総額15億円の大型契約で甲斐を獲得した。阿部監督が現役時代につけていた背番号『10』を託すほどの厚遇ぶりでしたが、昨年はシーズン途中で先発マスクが減り、故障に苦しんだこともあって68試合出場に終わると、今年は開幕からファーム暮らしが続きました。6月21日に1軍昇格しましたが、ここまで出場4試合、うち途中出場3試合と評価されているとは言い難く、正捕手奪回への道は険しい。長期契約を結んでいるのでトレードで放出は現実的な選択肢ではなく、このままでは不良債権になる恐れがあります」(前出のスポーツ紙記者)
起用法の幅が…
また、昨季87試合に出場するなどブレイクのきっかけを作っていた8年目の増田陸も今年は開幕1軍入り、先発起用が続き、.255の成績を残していたが、橋上監督代行が就任した直後の交流戦中5月28日にファームに降格。1か月以上経ったが1軍から声が掛からない。
「一塁がメインで、二塁も守れますが、守備力は、同ポジションを争う吉川尚輝、浦田俊輔と比べるとだいぶ落ちます。起用法の幅が狭いのでよほど打たないと生き残りは厳しい」(スポーツ紙の巨人担当記者)
さらなる補強の可能性が
巨人はナショナルズ傘下2Aハリスバーグの小笠原慎之介を獲得したが、先発投手を中心に、V奪回に向けてさらなる補強を敢行する可能性がある。
パリーグ球団の関係者は、
「リチャード、増田陸に関してはトレードで欲しい球団があるでしょう。2人ともファームで過ごす時間が長くなっていますし、巨人サイドも即戦力の投手を獲得できるなら、交換要員としてリストに入るのでは」
他にも、
「門脇誠、山瀬慎之助にも他球団からの需要があるでしょう。門脇は1年目に坂本勇人を押しのける形で遊撃の定位置をつかみましたが、2年目以降は攻守に精彩を欠き、守備固め、代走が主な役割に。1軍の座が保証されていない立場になっています。身体能力が高く、野性味あふれる選手なのでくすぶっているのはもったいない。一方の山瀬は、将来の正捕手の有力候補なので出しづらいと感じますが…」
新政権下での生き残りをかけ、阿部チルドレンたちの「熱い夏」が始まりそうだ。
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デイリー新潮編集部
