夢のブラジル戦に臨んだサッカー日本代表は1-2と敗れるも、20年前のように鼻を折られることはなく目線は「優勝」堅持でOKの巻。
次回2030年大会での優勝を目指して!
2026年ワールドカップ北中米大会での日本の戦いが終わりました。サッカーにおける憧れであり、サッカーの象徴であり、夢であるブラジルとの戦い。日本は1点を先制して折り返し、90分を過ぎてもなお1-1と拮抗した状態での戦いを演じながら、最後は力負けとなりました。ベスト32、この素晴らしい戦いを演じたチームには不釣り合いな順位で日本は大会を去ります。
ただ、負けは悔しいことですし、ミクロな局面では後悔や反省もあると思いますが、全体としては素晴らしく見事な戦いで日本は今大会をやり遂げたと思います。何より素晴らしかったのは、史上初めて、日本は本当に優勝を目指し、優勝から逆算した振る舞いを貫き通せたことです。これまで日本はグループステージを突破することが最大のテーマであり、その先は延長戦でした。心情としてはそうでなかったかもしれませんが、現実はそうでした。グループステージを突破するためにまず死力を尽くさねば、その先に進めない程度の存在でしかなかった。
しかし今大会はまったく違います。素晴らしい選手層と素晴らしい準備で、日本は決勝トーナメントに十二分のチカラを残して勝ち進んできました。選手を入れ替えながら休養を取り、最高の布陣でなくともワールドカップまでやってきた強豪を相手に互角以上の戦いを演じました。初戦オランダに引き分け、は頑張ればこれまでもできたかもしれないけれど、そのあとのチュニジア戦での圧勝、メンバーを入れ替えたなかでのスウェーデンとの引き分け、3試合を通じてのマネジメントはかつてない地力の高まりを示す出来事でした。クチで優勝を目指すと言いながら、弾薬をグループステージで打ち尽くすような二律背反はない、公言通りの戦いぶりでした。強豪国、そのものでした。
今回、悔しい結果ではありますが、外野目線で率直に言えば「考えられる最悪の目を引いてもこれぐらいはやれる」という水準の高さを示したとも思います。主力中の主力だけに続発した怪我&怪我&怪我&怪我、2位抜けと3位抜けを選べる立場だったのにどちらを選んでもワールドカップ優勝経験国とベスト32で当たってしまうクジ運、どうにもこうにも相性の悪い審判、もっと上のチカラを出す世界線やもっとラクな世界線はあり得たし、もっといい結果をつかめても何の不思議もないチームでした。なので、目線は下げず、この先へ向かってほしいと思います。あと少し、もう少し、この道の先に明るい未来はあると確信できた、そんな大会でした。
負けはしたけれど、鼻は折られていない。
旋風を巻き起こす機は熟しつつある。
あとは何回挑むか、その試行回数だけ。
ファンにとっては「寿命次第」の案件です!
🔹試合終了🔹️
🏆FIFAワールドカップ2026™
⚔ラウンド32
🇯🇵SAMURAI BLUE 1-2 ブラジル代表🇧🇷
📺フジテレビ
📺NHK BS
📱DAZN@FIFAWorldCup#最高の景色を #サッカー日本代表 pic.twitter.com/KHDn7a3XrH- サッカー日本代表 🇯🇵 (@jfa_samuraiblue) June 29, 2026
試合前、日本にはかつてない勇気が満ちていました。これまでの戦いの素晴らしさが生み出す自信と、ほぼすべての選手が世界に飛び出し、サッカーの中心地ヨーロッパで揉まれてきたことでの「慣れ」。世界には素晴らしい選手がいて、自分たちより上かもしれないけれど、戦いようはあるし、必ず負けるとは限らないことをほぼ全員が肌身で「知っている」。
そんな素振りを見て「舐めるなよ」とブラジル側がご立腹になることは理解できますが、まぁ外野目線で言えばブラジルがかつてほどの圧倒的な存在でないことは、紛うことなき現実です。本当のことを言われて怒るのは器が小さいなと思います。もはやブラジルは子どもを相手にするような余裕をこの戦いには持ち合わせていないのです。
会場となるヒューストンスタジアムは黄色に染まっています。日本のサポーターも青い一角を作って対抗していますが、9割方はブラジルの応援でしょうか。さすがブラジル、大人気です。国歌斉唱ではただでさえ盛り上がるブラジル国歌が大合唱され、超アウェーの雰囲気です。やりづらい、でも燃える、そんなシチュエーション。
日本はおなじみの3-4-2-1の布陣で、シャドーの位置に前田大然さんと伊東純也さんをダブル起用してきました。スピードタイプの同時投入はハイプレスでのボール奪取と、自陣からの高速カウンターを意図したものでしょうか。ある程度ボールを持たれることを念頭に、そのなかでどうやって刺すか、そんな試合展開になりそうです。
迎えたキックオフ、日本は立ち上がりからハイプレスを仕掛け、まずは恐れずガツンと行く姿勢を見せます。ブラジルはこちらが引けば引いたぶんだけ押してくる手合いです。気合負けは即座に激流に飲まれるもと。まずはその闘志やヨシです。一方ブラジルも高い位置でボールを奪おうと前からガツガツきますし、日本がラインを高くあげればすかさず裏を狙ってきますし、手練手管で攻めてきます。DFラインのボール回しもちょっと戻しが短くなったりトラップが長くなればかっさらわれそうになりますし、油断も隙もありません。前半12分には日本は早くも佐野海舟さんがイエローをもらってしまう場面も。ほんのちょっとの出足、ほんのちょっとの球際、全部がやりづらい、さすがブラジルです。
それでも日本は相手のやり方にしっかり対応し、ビルドアップもちゃんとできますし、守備でも相手の思うようにはやらせていません。相手のスターであるヴィニシウス・ジュニオールさんにはオランダ戦と同じようにダブルチームで対応し、ほとんど仕事をさせません。若干分は悪いですがしっかり戦えています。あとはそのなかでどう刺すか、です。
そしてそれを見事にやってのけたのが前半29分。ボールを奪ったブラジルがカウンターに掛かろうとしたとき、中盤で周囲を見渡した佐野さんは自陣の人数が足りていることを素早く察すると、自分のマークした選手を離して、相手が安易に出した横パスをカットしました。佐野さんが中央をドリブルで駆け上がると、味方3人が佐野さんに選択肢を作りつつ、相手守備を引き連れて動かし、中央にグローリーロードを開きました。ブラジルもアカンと察して佐野さんを引きずり倒しにいきますが時すでに遅し。佐野さんの放ったミドルは完璧なコースでブラジルゴールに突き刺さりました。日本先制!
↓真夜中の日本に大歓声が響いた!佐野「回収」さん日本代表初ゴール!
日本🇯🇵がブラジル🇧🇷から先制点!
- DAZN Japan (@DAZN_JPN) June 29, 2026
佐野海舟がインターセプトからそのまま持ち込み、圧巻のフィニッシュ⚽️
🏆FIFAワールドカップ ラウンド32
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その後も日本はいい戦いを演じ、前半を1-0で折り返します。ブラジルは長い時間ボールを保持してはいますが、ドリブルやらパスやらに対しては日本が上手く対応しており、最終的にはグルグル回して遠くから放り込むか遠くからシュートを撃つばかり。その精度がいちいち高いのでヒヤッとしはしますが、崩された場面はまったくありません。こちらがミスさえしなければ大丈夫、そんな前半でした。
迎えた後半戦、日本のメンバーチェンジはなく、ブラジルは前半で負傷したと思しきルーカス・パケタさんを下げて注目の新星・エンドリッキさんを入れてきました。布陣もヴィニシウスさんを大きく左に張らせるような形に変えてきました。後半開始早々には、大きく左に張ったヴィニシウスさんがドリブル突破ではなく早めにファーサイドにクロスを入れてくるなど、早くも前半とは違ったやり方が垣間見える動きも。
じょじょに押し込まれる日本。ブラジルが6トップのような形かつ両サイドに広く幅を取ることで、日本の守備は全体的に押し下げられます。中央は空けるわけにいかず、サイドにいるヴィニシウスさんが怖いのでシャドーもそちらを警戒せざるを得ず、結果的に押し込んできた相手のサイドバックやセンターバックにはプレッシャーが掛からない形です。ヴィニシウスさんを2人で警戒するなら、そりゃあ誰かは手薄になるでしょうなぁ、という当たり前の話。
ブラジルはその形から早めにファーサイドにクロスを入れる攻撃をたびたび行なってきます。しかし、これはある意味で常道というか、中央とサイドを5-4-1のブロックで固められたら「4の脇」しか空かないのですから、そこを起点に放り込むのはごく自然な形であり、これまでも日本の対戦相手が幾度もやってきた形です。そして、日本はどうしてもサイズや高さで見劣りする部分があり、高さや当たりに自信のある選手をまず中央におけば、ファーサイドはどうしても手薄になりますので、構造的に弱い部分になります。
ただ、何事も表裏一体ですので、センターバックやサイドバックが日本陣内まであがってきてクロスを送るとかボール回しで左右を揺さぶるとかやっていたら背後には広大なスペースが生まれるのもまた自明。そこを日本が自慢のスピードで刺す、これもまた常道なのです。その意味でこの試合の趨勢を大きく分けたのは後半9分、ブラジルの放り込み攻撃を辛くもライン上で防いだあとのカウンターだったと思います
攻め上がる日本は5人、ブラジルの残っていた選手は3人、あと2人が日本を追走してきていますが日本は数的有利の状況です。日本は右サイドの広大なスペースに伊東さんを走らせ、そこから戻して逆サイドの中村敬斗さんがエリア内でボールを受ける形に持ち込みました。エリア中央にはポッカリとスペースが空いており、そこに伊東さんと鎌田さんが走り込む動きを見せています。上田さんも左45度のあたりでもらえば即シュートの態勢で構えています。選択肢はあったし、イメージは共有されていた。相手はとてもじゃないけれど全員を捕まえられる状態ではありません。もしここで中村さんからのボールがグラウンダーの折り返しで走り込む鎌田さんか伊東さんに合っていたら、日本はブラジルを沈める2点目を取れていました。2点目を取れていれば、試合はまったく変わっていました。取るべき点だった、そう思います。
取るべきときに取らないと罰を受けるのがサッカーです。日本はこの場面、どう見ても間違いなく相手13番ダニーロさんのクリアでゴールラインを割ったのに、コーナーキックではなくゴールキックで再開されるという嫌がらせを受けます。中村さんが判定に対して「はぁっ?」となっている表情も驚きに満ちていました。仕組み上VARも介入できないのだという誤審、「日本の金払いでも悪かったですか?」「DAZNにもっと払うように言っておきます!」「あれ?もしかしておたくもDAZNにやられたクチです?」と聞きたくなるようです。
その嫌がらせ再開のあと、ほんの数プレー。左サイドのヴィニシウスさんがボールを受け、そこに日本が2人つき、戻したボールをセンターバックのマガリャンイスさんがフリーで受け、ファーサイドにクロスを入れ、そこで待っていたカゼミーロさんがヘッドで叩く。これで同点に追いつかれてしまいました。クロスもよかった、カゼミーロさんの位置取りもよかった。でも日本はそこに身体を当てることもできなかった。ゴール前での肉弾戦、少しでも相手を離せばそこを高い精度で突いてくる、これがブラジルの恐ろしさ。
↓瞬間的に伊藤洋輝さんが2人を見ないといけない状況を察知したのだとしたら、さすブラですね!
カゼミーロ🇧🇷がヘディングで同点弾!
- DAZN Japan (@DAZN_JPN) June 29, 2026
ブラジルが試合を振り出しに戻す⚽️
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直前まで伊藤さんがカゼミーロさんをつかんでいたが…!
もっと怖い位置のマークに動いた瞬間を突かれた!
そして、ブラジルの流れを決定づけたのは、失点直後の後半13分、冨安さんがヴィニシウスさんに千切られ、鈴木彩艶さんの好セーブとポストに救われた場面だろうと思います。失点の場面のような放り込み地獄から脱するには、サイドに引きつけられ過ぎず、相手の放り込み要員にプレッシャーを掛け、かつコチラのカウンターの駒となって相手を怖がらせるシャドーの働きが必要でした。しかし、「対人能力で日本最高であろう冨安さんでもヴィニシウスさんには千切られる」がここで刻み込まれてしまった。これではもう相手の罠とわかっていてもヴィニシウスさんを放置はできません。
サイドをケアしつつ、ボールが下がったらすかさずそこにプレッシャーを掛けに行き、雑に上がったクロスの跳ね返りを回収したうえで、カウンターのために猛ダッシュする…そんな超人でもいないとこの先の展望が見えてこない。「ピコーン!前田大然がいるじゃないか」「ここで切り札の前田大然を出せば日本の勝ちです」「残念だったな…今使っておるのがその前田大然なのだ…」という手詰まり感。ここまで見事に隠蔽してきた怪我人続出というアクシデントがブラジルの前でついに露見した気分です。
日本はウィングバックを2枚同時替えでまず守備の安定を図ります。しかし、守備に重きを置いたぶん縦への攻撃の威力は低下しました。その後、疲労感というところか伊東純也さんと鎌田大地さんも下げます。武器がひとつひとつなくなっていくような感覚です。粘って延長・PK戦まで持ち込むか、あるいはエース上田さんのスペシャルなプレーが飛び出すか。意思統一を図ろうにも手札がちょっと寂しかったかもしれません。日本はときおり田中碧さんが個人のボール奪取能力を発揮して、何とか攻撃につなごうとしますが、それも孤軍奮闘という感じです。
日本が防戦一方となるなか、試合はアディショナルタイムに突入。6分と表示されたアディショナルタイムの5分にかかろうかという頃、攻め上がるブラジルから田中さんがボールを奪取しますが、詰め寄ってきた相手に再び奪い返されてしまいます。「奪取即クリア」のイメージがあればサイドラインかゴールラインに蹴り出すことはできたかもしれませんが、相手の寄せが早かった。
その後、ブラジルは少しずつマークを離してしまっていた日本の隙間を縫うように、短くて何気ないけれど精度の高いパスを2つ通します。NHKBSの実況がパスが渡るたびに「空いた!」と叫んでいたのが印象的でした。固めていたはずの中央で、これだけ攻め込まれているのに、ボールが渡ったときに誰もマークがついていない選手が何故かいる。そこは日本のまだまだ手練れではない部分かなと思います。最後に決勝点を決めたマルティネッリさんに渡ったときは、その手前のシュートを警戒して中央に寄せる日本のCBと、サイド展開を警戒して絞り切れないSBとのコンビで、パチンコのチューリップのようにパカッと守備網が開きました。不思議ですが、これが「地力」というヤツなのでしょう。痛恨の失点でした。
↓最終手段としてパンチとかキックが魂に刻まれていれば、マークを離すことはないのだろうが…!
後半ATにブラジルが劇的勝ち越し弾!
- DAZN Japan (@DAZN_JPN) June 29, 2026
途中出場マルチネッリ🇧🇷が値千金の逆転ゴール
🏆️#FIFAワールドカップ ラウンド32
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ボールゲームだからボールを見ちゃいますよね!
最終手段でパンチとかキックするサッカーはやってないんで!
まぁ、でも、負けはしましたが、本当によく戦ったと思います。わかっていたことですが、地力はブラジルが上でした。仮に延長に入ったとしても向こうは都合3枚交代が残っています。ネイマールさんを出すことだってできました。ここで失点がなければ勝てたかもしれないけれど、やっぱり負けていたかもしれない、そう思います。改めてVTRで試合を振り返りましたが、「こうしていれば」とか「あれがなければ」も特になく、負けたな、と思うばかりでした。
ただ、それは手も足も出なかったわけではなく、何か愚かなことをしたわけでもなく、相手が上手かった、そういう性質のものです。最後の得点だって、あの時間にあれだけ精度の高いプレーをできるのは本当にお見事です。ちょっとズレた、ちょっと外した、いくらでもそんなことはありそう場面なのにお見事でした。思えば、そういったちょっとの精度やちょっとの優位の積み重ねがこの結果なのかなと思います。
日本がどこかで1対1で優位を築けるポイントがあって、相手もそこをケアしないといけない状態であったら、こんなにクロスを放り込まれることもなかったはずです。守りに掛かるにしても、相手のエースと1対1で抑え込めていればそこでの勝ち負けを起点にカウンターにもいけたはず。両方が最高のプレイングをしたとき、最後に勝負を決めるのはデッキパワーです。その勝負では、さすがにまだブラジルには及ばない。こちらにはレアル・マドリードもバルセロナもパリ・サンジェルマンもおらず、リヴァプールやバイエルン・ミュンヘンがポツリポツリといったところ。あらゆる部分で相手がちょっとずつ上、というのも苦しかった。どこかの要素では大負けしているけれど、その代わりこっちの大勝ちもある、とかのほうがやりやすかったかもしれません。まぁ、だからこそブラジルに憧れもするわけですが。
今大会の躍進の根底にあるのが、出場選手全員がヨーロッパのリーグでプレーする選手になったという世界への飛躍であったように、今度は出場選手全員が欧州トップリーグの選手であったり、そのレギュラー格であったり、その年のチャンピオンズリーグで上位に進出していたりという状況になれば、さらなる結果はついてくるでしょう。必要なのは時間と試行回数。進んできた道は間違っていないし、未来は明るくなる一方です。何か、自分が生きてる間に日本が優勝してもおかしくないなって思える大会でした。次回、その次、さらにその次、あと10回、15回…試行回数はわからないですが、当たりのないサイコロを振っているわけではない、そう思います。なので、寿命を頑張って伸ばすように努めます!
パウンド・フォー・パウンドランキングなら現時点で1位もあると思いました!
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