2026年6月19日から21日までの3日間、東京国際フォーラムにて、国内最大級のオーディオとホームシアターの祭典「OTOTEN2026」が開催されました。

主催は一般社団法人 日本オーディオ協会。会場では、スピーカーやアンプ、イヤホン・ヘッドホン、レコード関連機器、ホームシアター、防音室、音楽配信サービスなどが紹介され、幅広いジャンルの企業・団体が集結しました。

筆者は6月19日のプレミアムデーに参加。ハイエンドスピーカーの迫力を体感できる一方で、ワイヤレスイヤホンのように日常で楽しめるオーディオ製品も充実。音楽の多様な楽しみ方を体験できるイベントになっていました。

↑入り口の様子。7階までイベント会場になっている

JBL創立80周年を象徴する超弩級スピーカーも登場のハーマンインターナショナル

まず訪れたのは、ハーマンインターナショナルのブースです。

OTOTEN会期中には、JBLブランド創立80周年を記念した新製品発表会も行われました。

ブースで展示されていた製品の中から、発表会で披露されたフロアスタンディング型スピーカー「Summit K2」と、完全ワイヤレスイヤホン「Live Buds 4」、「Live Beam 4」を中心に紹介します。

1本660万円のハイエンドスピーカー Summit K2

↑JBL創立80周年を象徴するフロアスタンディング型スピーカー「Summit K2」

Summit K2は、2026年秋発売予定のハイエンドスピーカー。JBLの象徴ともいえる380mm径ウーファーを搭載し、スケール感のある低域再生を追求したフロアスタンディング型モデルです。標準価格は660万円(税込)/本となっています。

↑会場では2本のSummit K2を用いて試聴を行った

試聴してみると、その迫力は段違い。豊かな音の広がり、身体の奥まで響くような低域、そして目の前に演奏者がいるように感じられる音像など、まるで生演奏を聴いているような臨場感がありました。

価格もサイズも誰もが簡単に導入できる製品ではありません。だからこそ、実機を前にして、そのスケール感や音の迫力を体験できることに、OTOTENというイベントのおもしろさがありました。

スマートケース付きイヤホンも進化。Live Buds 4、Live Beam 4

一方で、同ブース内では完全ワイヤレスイヤホンの新モデル Live Buds 4とLive Beam 4も展示されていました。

どちらも2026年6月25日発売のモデルで、Live Buds 4はバッズ型、Live Beam 4はショートスティック型と、装着スタイルの異なる2モデルです。

↑2026年6月25日発売のモデル。左「Live Buds 4」、右「Live Beam 4」

両モデルとも10mm径のダイナミックドライバーを搭載し、LDACにも対応。ワイヤレスでも情報量の多いサウンドを楽しめます。

↑スマート充電ケースのUI説明

ほかの完全ワイヤレスイヤホンと大きく違う点は、JBL独自のスマート充電ケースを備えていることです。スマホを取り出さなくても、ケースの画面から音量調整や曲送り、ノイズキャンセリング設定などを操作できます。

↑Amazon限定販売のグリーンカラー(Live Buds 4)

ノイズキャンセリングには「True Adaptive Noise Cancelling 2.0」を採用。周囲の騒音はもちろん、イヤホンの装着状態や音漏れまで検知しながら、ノイズの低減具合を自動で調整してくれます。

さらに通話面では、AI学習アルゴリズムを用いた「Perfect Calls 2.0」を搭載。駅や街中など騒がしい場所でも、自分の声を相手に届けやすくしてくれます。

まるで有名バンドとセッションできる「JBL BandBox」シリーズ

さらにブースでは、クラウドファンディング中のJBL BandBoxシリーズにも触れることができました。

↑左「JBL BandBox Trio」。右「JBL BandBox Solo」

「JBL BandBox Solo」、「JBL BandBox Trio」は、AIによるボーカルおよび楽器のステム分離機能を本体に搭載した、ポータブルアンプ&Bluetoothワイヤレススピーカーです。

このシリーズの目玉は、AIによるステム分離機能。これは、楽曲の中からボーカル、ギター、ベース、ドラムなどの音を分けて扱える機能です。たとえば、好きな曲からギターの音だけを小さくして、自分でギターを弾きながら合わせる。あるいはボーカルを抜いて、カラオケのように歌の練習をする、といった使い方ができます。

つまり、お気に入りのバンドの演奏をバックに、自分もその曲の演奏に参加するような練習ができるということ。バンドメンバーが全員集まらなくても、自分のパートをほかの楽器に合わせられるので、自宅での個人練習でも憧れのバンドとセッションしているような感覚に近づけられます。

↑ギターを挿して演奏する様子。エフェクターもスピーカーに内蔵されています

JBLというと、スピーカーやイヤホンのイメージが強いですが、BandBoxシリーズは、音楽を“聴く”ことに加えて、“演奏して楽しむ”方向へ広げる製品といえます。OTOTENの会場で見ても、リスニングだけでなく、練習や演奏まで含めて“音を楽しむ”入口が増えていることを感じました。

JBL BandBox Solo、JBL BandBox Trio
支援期間は2026年8月31日まで
クラウドファンディングのプロジェクトページはコチラ

ガラス振動板イヤホンから歴代モデルまで。KENWOOD創業80周年を体感

続いて訪れたのは、JVCケンウッドのブースです。

↑KENWOOD創業80周年を記念した展示の様子

ブース内ではKENWOOD創業80周年の企画展示として、歴代のKENWOOD製品も実機展示されていました。

業界初のガラス振動板を採用した「GLASS Core」シリーズ

↑KENWOOD 完全ワイヤレスイヤホン「GLASS Core Pro」

なかでも、ブースで注目を集めていたのが、KENWOOD創業80周年記念モデルとして登場した完全ワイヤレスイヤホン「GLASS Core Pro」と「GLASS Core」です。

大きな特徴は、ワイヤレスイヤホンとして業界初をうたうガラス振動板の採用です。KENWOODが長年培ってきた音響設計の知見と、“原音再生”という音づくりの思想をもとに、新たな高品位表現を目指したモデルとなっています。

Victorブランドの最高峰イヤホン「WOOD master」

「WOOD master」は、Victorのワイヤレスイヤホン史上最高音質をうたうフラッグシップモデルです。

木を原料とするパルプにアフリカンローズウッドを混ぜ合わせた「ハイブリッドWOODドライバー」を搭載し、ボーカルの艶やかさや、全帯域の自然な再現を目指しています。

Victorはこれまでも、「ウッドコーンスピーカー」など、“木の響き”を生かした音づくりに取り組んできました。その流れを踏まえると、WOOD masterは、同ブランドが大切にしてきた木の音響思想を、完全ワイヤレスイヤホンに落とし込んだモデルともいえます。

“木の音”を暮らしに取り入れるVictorのWOODシリーズ

その“木の響き”をよりわかりやすく体感できたのが、ブースに展示されていたVictorブランドのWOODシリーズです。

スピーカーの振動板というと、金属や樹脂のイメージがあるかもしれません。しかしVictorは、ヴァイオリンやギターなど、木でつくられた楽器が持つ美しい響きに着目。木の素材を音づくりに生かすことで、音楽をより自然に、心地よく届けることを目指しています。

同シリーズは、前述した通り、「木」をコンセプトにしたオーディオラインアップ。なかでも「ウッドコーンスピーカー」は、木を振動板に使うことで、楽器のような自然な響きを目指しているのが特徴です。

↑ウッドコーンスピーカー搭載モデル。左「EX-D6」、右「EX-DM10」

どれも“オーディオ機器”というより、部屋に置いておきたくなるインテリアのような佇まいがあり、音だけでなく暮らしの中での見え方まで意識されていることが伝わってきます。

↑ テレビ用ウッドコーンスピーカー「TH-WD05」

天然木を採用したポータブルワイヤレススピーカーの展示では、リビングや寝室、キッチンなど、日常のさまざまな場所へ気軽に持ち運べる品々がずらり。

天然木ならではの木目や質感があり、同じモデルでも一台ごとに表情が異なる点に魅力を感じました。

見て、聴いて、比べられる。OTOTENならではの“音との出会い”

寄り道するほど楽しい、OTOTENの多彩な展示

今回のOTOTEN2026を歩いて感じたのは、リアルイベントだからこそ味わえる“音との出会い”の多さです。

フラッグシップモデルを実際に試聴し、その機能性・スケール感に驚く 最新モデルを見比べ、日常使いの進化を知る 寄り道した先で、これまで知らなかった製品と出会う

そうした体験を一堂に楽しめることこそ、OTOTENの大きな魅力だと感じました。

カタログやスペック表を読むだけでは、音の迫力や質感、製品ごとの個性まではなかなかわかりません。実際に見て、聴いて、担当者の説明を聞くことで、「こういう楽しみ方もあるのか」と気づけるのが、リアルイベントのおもしろさです。

OTOTENは、オーディオに詳しい人はもちろん、「ちょっといい音で音楽を聴いてみたい」と思っている人にとっても、自分なりの音の楽しみ方を見つけられるイベントでした。

取材・文/鈴木和成

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