16歳で来日して6年目で支配下となり、一軍デビューを果たしたティマ

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[Gファームリポート2026]

 「うれしい、とってもうれしい」。

 今月4日に東京ドームでのオリックス戦でプロ初安打を放ったフリアン・ティマ(21)が、日本語で感慨を口にした。ドミニカ共和国から16歳で来日して6年。大砲候補が踏み出した一歩は、国境を超えた選手の発掘、育成を重視する巨人にとっても大きな意味を持つ。

 母国で行われた球団主催のトライアウトに合格し、2021年に入団。天性の長打力を見いだした巨人は、日本語や文化などの教育も含む長期的な育成プランを組んだ。日本人ならまだ中学を卒業したばかりの少年に、数年後には「ドラフト1位級の選手に育てる」という青写真を描いた。

 現在は1メートル94、106キロの体格を誇るも、来日時は86キロ。走るのが苦手で、1年目はウォーミングアップについていくのが目標だった。日本食も喉を通らず、関係者が探し回ってようやく口にしたのがカステラ。「本当に子供だった」と、当時巡回コーチとして携わった会田有志三軍監督は懐かしそうに笑う。

 寮生活に慣れ、ポール間走など日本の練習メニューを消化できるようになると、体は厚みを増した。二軍で24年に15本塁打、25年に8本塁打と頭角を現し、今年5月に支配下登録。今ではチーム関係者が「日本語もだいぶ滑らかで、寮の主と言っていいくらいの存在感がある」と話すほど、野球でも私生活でも高い順応力を示した。

 念願の一軍では10試合で打率1割4分3厘、本塁打と打点はゼロ。今は二軍で再昇格を目指すティマは、「一軍を経験してモチベーションはすごく上がった。次こそホームランを打つ」とやる気をみなぎらせる。

 04年9月生まれの右打者は、今秋のドラフト候補の大学4年生と同学年に当たる。その飛距離と一、二軍で重ねてきた経験値は、同世代のスラッガーたちと遜色ないだろう。「外国人選手も自前で育てる」という球団の理念を体現する存在だ。(緒方裕明)