【ライブレポート】福山雅治27年7ヵ月ぶりの香川公演で全国13会場を巡ったアリーナツアーを完結
龍の声、香川に轟く。――1月から全国13会場を巡ってきた福山雅治のアリーナツアー『NISSAY PRESENTS WE’RE BROS.TOUR 2026 龍、雷乃発声(読み:りゅう、かみなりすなわちこえをはっす)』。そのファイナル公演が6月28日、香川・あなぶきアリーナ香川にて行われた。
■福山雅治『NISSAY PRESENTS WE’RE BROS.TOUR 2026 龍、雷乃発声』オフィシャルレポート
定刻15時。雷鳴の音とともに紅蓮の炎のグラフィックがスクリーンで龍のごとく渦を巻くと福山が登場。エレキギターで「革命」の冒頭部から「龍馬伝」へと繋ぐと、ギターをアコースティックに持ち替え、「少年」(2010年)へ。〈名も無きこの歌 君へのこの歌〉というアウトロのリフレインで早くもオーディエンスが大合唱。雷鳴が恵みの雨に変わり鳴らされた1990年のデビュー曲「追憶の雨の中」では福山がセンターステージで繰り返しジャンプ! 序盤からすでにクライマックスかのような盛り上がりだ。
同地での公演は実に27年と7ヵ月ぶり。昨年2月に開館したあなぶきアリーナ香川に詰めかけたおよそ8,000人の熱気を前に笑顔を見せる福山。前日27日のツアー香川公演初日の直前には台風や地震が発生。MCでは開催がぎりぎりまで危ぶまれていたことに触れ、不測の事態にも対応すべく、当初の予定よりも前倒しで徳島から陸路で香川入りしていたという経緯を語り、オーディエンスに「無事、初日とファイナルを迎えられました」と喜びと感謝を伝えた。
ファンクラブ会員限定オンライン生配信の観客にも呼びかけつつ、「極まりに極まった、最新こそ最良のLIVE、最高にして最強のファイナルをお届けします!」とオーディエンスを沸かせると、サザンロックテイストなグルーヴの「Escape」(2001年)、間奏で一瞬だけ弾かれる「パープル・ヘイズ」(ジミ・ヘンドリックス)や「vs. ~知覚と快楽の螺旋~」のギターフレーズも楽しい「無敵のキミ」(2007年)、スクリーン一面に広がった海の碧をバックにしっとり歌い上げる「群青 ~ultramarine~」と、キャプテン・井上鑑(Key)率いる歴戦の猛者揃いのバンドと変幻自在のサウンドアプローチを繰り出していく。
続いてのMCは本ツアー恒例、57歳・デビュー36年目の福山の現在地をAIに問う企画「福山雅治をご当地の◯◯に例えると?」。今宵、「福山を四国全体に例えると?」という無茶振り気味なプロンプトからAIが弾き出した回答(?)は、ズバリ“お遍路”。「空海が唱えた同行二人の精神で各地を巡りマイクという金剛杖で楽曲という経典を広めていく」という論旨からその存在感を、「“踊る讃岐うどん”、“歌う金比羅山”、“夢と未来を繋ぐ人間瀬戸大橋”」と解釈を広げ、「一極集中、一人パワースポット」とユニークな結論に着地。客席から「よくぞそこまで」といった笑いと賞賛の拍手が起こったひと時だった。
本編中盤は、先日最終回が放送された日本テレビ系ドラマ『タツキ先生は甘すぎる!』主題歌「拍手喝采」、2023年の映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』主題歌「想望」、さらにその続編として8月7日から公開される新作映画『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』主題歌の「邂逅」と、9月9日リリースのニューアルバム『超新星』収録の最新曲で展開。そして新曲群の間に置かれた「蛍」(2010年)のリリック〈ありがとう この街で 僕のこと見つけてくれて〉は、あらためてファンに届ける36年目の感謝の言葉のようだった。歌唱後、福山から、同曲がテレビ東京にて7月1日スタートのドラマNEXT『君は夏のなか』の主題歌に決定したことが報告された。時を経ても色褪せない福山ナンバーの魅力が実証されたようなニュースだった。
LIVE はいよいよ終盤へ。歌い出しを溜めに溜めオーディエンスとのコール&レスポンスに興じる「KISSして」(2008年)から、スリリングなバンドアンサンブルの「幻界」(2025年)、スパニッシュなギターと炎の特効も情熱的な「零 -ZERO-」(2018年)と攻勢。続いてステージ上に12 名のコーラス隊“Voices of Chronicles”が登場し、「虹」(2003年)、「万有引力」(2025年)を大合唱。さらに羽根のロングファーを纏ったノースリーブ姿で“生きろ”と訴える「龍」(2025年)を挑発的にパフォーマンス。最後はB’zの稲葉浩志とのデュエットが話題を呼んだ「木星」をソロで切々と歌い上げて本編を閉じた。
客席からの手拍子とウェーブに応えてのアンコールでは幼少期から今日までのヒストリー映像を導入に「未来絵」を歌唱。福山の故郷・長崎を想起させる海と山間の遠景映像とともに「蜜柑色の夏休み」の一節を経て、再びコーラス隊を招き、近年の音楽的支柱とも言える「クスノキ-500年の風に吹かれて-」と、『超新星』から2曲の新曲を届けた。
バンドメンバーたちと並んでの万歳三唱から「もう一曲いいですか!?」とダブルアンコールとして2003年のナンバー「Squall」を弾き語り、のべ24万人を動員したツアーが大団円。「LIVEはオーディエンスと創る“一期一会”。無事完走できてほっとしています」「ドームライブもあります。またお逢いしましょう!!」と語り、クロージングタイムお約束の投げキッスで締めくくった。
まさに天翔ける龍の眼のようなマクロな視点から地球、社会、人間の業を捉えた楽曲と日常の情景を綴ったナンバーの共存が、緻密にしてアリーナ会場の規模を遥かに超えたスケール感の演出で具現化されていた。と、同時に、本編のクライマックスとアンコールを最新曲が担ったセットリストが、シンガーソングライターとして36年目に辿り着いた現在地点の充実度と第一線を走るアーティストとしての矜持を物語っていた。前述の通り、8月には東京ドームと京セラドーム大阪でドームライブ『龍、涼風至(読み:りゅう、すずかぜいたる)』、9月9日にはニューアルバム『超新星』のリリースが控えている。2026年の後半戦も福山雅治が列島を駆け上る。
TEXT BY 内田正樹
PHOTO BY Takuya Kimura
(C)AMUSE
■リリース情報
2026.09.09 ON SALE
ALBUM『超新星』
■関連リンク
『WE’RE BROS. TOUR 2026』情報サイト
https://fukuyamamasaharu.com/tour2026/
福山雅治13th ALBUM『超新星』特設サイト
https://fukuyamamasaharu.com/13thAlbum/

