【W杯】ブラジル戦のボール保持率30%はカタール大会より改善 データが語る「森保ジャパン」の進化と現実
◆サッカー北中米W杯 決勝トーナメント1回戦 ブラジル 2―1 日本(29日、ヒューストン)
FIFAランキング18位の日本は、同6位のブラジルと激闘を演じたが、後半アディショナルタイムに決勝点を許し、1−2で敗退。ベスト16入りは叶わなかった。
日本は前半29分、MF佐野海舟の鮮やかなゴールで先制に成功。その後も堅守でブラジルの猛攻を凌いだが、後半11分にMFカゼミロのヘッドで同点に追いつかれた。延長戦突入が濃厚となった後半アディショナルタイム6分、一瞬の隙を突かれFWマルチネリに決勝ゴールを献上。5度の世界王者に輝いたセレソンの壁は高かった。
敗戦の場面は、まさに力の差を見せつけられた瞬間だった。自陣でボールを保持した田中が死角から迫るブラジル選手にボールを奪われ、素早いパスワークで中央を崩された。終盤まで押し込まれながらも粘り強く戦い抜いた守備は、日本の成長を証明していたが、反撃の糸口を見つけられていなかったことも現実だった。
この試合のボール保持率は日本が30%、ブラジルが61%(中立9%)。数字上はブラジルの支配が目立つが、かつてのカタールW杯のドイツ戦(24%)、スペイン戦(18%)と比較すると、ボールを保持し、自分たちのリズムで戦う時間は確実に増えている。森保一監督が掲げる「いい守備からいい攻撃」というコンセプトに加え、ボールを保持して試合をコントロールする時間は、1次リーグ初戦のオランダ戦(37%)を含め、強豪相手にも着実に増加している。
試合後、森保監督は5度目の挑戦でも届かなかった「決勝トーナメント初戦突破」の壁について、冷静にこう語った。
「一気に何かを変えたいというところはありますが、歴史はそう簡単には動いてくれないと思います。ただ、地道に積み上げていけば、大きく歴史は動くかなと思います。とにかく自分たちの力、過去も見つめて、成果と課題をしっかりと抽出しながら力をつけていく。どこかで歴史の扉が開くことを夢見て、目標としてやっていかなければいけないのかなと思います」
ボール保持率という客観的データが示す通り、森保ジャパンは過去4年間で着実に「世界と渡り合える力」を蓄えてきた。ヒューストンで流した悔し涙を糧に、日本サッカーの歴史を変える戦いは、新たな4年後のステージへと持ち越される。(金川 誉)

